「無洗米」を買うべきワケ4。普通のお米と食べ比べてビックリした
コメ選びは、かしこく、おいしく。
最近、米売り場でよく見かける「無洗米」。これ、研ぐのが面倒なズボラ派のために作られた商品だと思っていませんか? もしくは、なんとなく人工的でマズイというイメージを持っていませんか?
答えはNO。
おいしいモノ選びには正しい知識も重要。そこで今回は、「無洗米」についてわかりやすく解説し、気になる味の違いもレポートしてみました。
そもそも「無洗米」とは、米の精白(米を磨くこと)の際に、従来だと少し残ってしまう「肌ヌカ」を除去した米のこと。業務用や学校給食などで積極的に導入され、家庭での使用も年々増加しています。しかし、この無洗米について正しく理解している人は決して多くないのではないでしょうか?
実は、「研がなくてOK」という利便性だけでなく、大きなメリットが4つもあったのです。
1.米を研ぐ技術を必要としない
研ぐ必要がないため、水量さえ間違えなければ、誰でも同じ味に炊くことができる。
2.節水になる
水の節約量は、年間で1657.1リットル(※)。2リットルのペットボトルに換算すると828本に相当。
(※)全国無洗米協会調べ。3人家族で3合の米を1日1回炊飯した場合の1年間の節水量。
3.おいしさが長持ちする
肌ヌカには米を酸化させる成分(脂肪分や酵素など)が含まれるため、それを取り除いた無洗米は劣化しにくく、米を通常米より長持ちさせることが可能。
4.環境に優しい
研ぎ汁に含まれるリンや窒素は水質汚染の原因に。汚染物質の処理にはCO2発生も。あらかじめ肌ヌカが除去された無洗米なら、研ぎ汁は一切出ない。
ただし、やはり大事なのは、「味」。早速、通常米(研いで炊く米)と無洗米を比較してみました。
比較に使用したのは、某スーパーで売られていた新潟県産コシヒカリ(精米日も同じ)。土鍋を使い、それぞれ1合を指定の水分量で10分炊飯、10分蒸らしで仕上げました。
以下、炊きあがりの様子です。
⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=440415
まずこれが通常米。みずみずしくツヤがあり、米粒の輪郭がハッキリとしています。
⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=440418
こちらが無洗米。ツヤが少なくマットな質感に炊きあがっています。
そして実食。差が歴然で驚きました。無洗米から食べたところ、ふんわり柔らかい食感で、洗練された甘さが際立ちます。一方、通常米は、しっかりとした食感は嬉しいものの、ぬか漬けでおなじみのヌカ臭さが気になってしまったのです。これこそ雑味。無洗米を食べてしまったら、元には戻れません。
「おいしい」には個人差があるため、勝敗は決めにくいですが、「白米」の洗練度では、無洗米に軍配が上がりそうです。
結論。無洗米はおいしかった!
ただし、無洗米にする製法には様々あり、現状では国による品質基準等がありません。米肌にキズがつく、ヌカが取り切れていないといった低品質の無洗米も出回っているので、見定めは重要。米袋の裏面にある精米業者の開示情報を確認し、信頼できる商品を選びましょう。
<TEXT,PHOTO/スギ アカツキ>
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【スギ アカツキ】
東大卒の食文化研究家。長寿美容食研究家。在学中に基礎医学や生命科学を学ぶ。さらにオーガニックや久司マクロビオティックを学び、独自で料理研究をはじめる。モットーは「長く美しくを、簡単に」。忙しい現代女性に合わせた健康メニューが得意。ヨガ教室や人気ブログ(http://saqai.com/)も手がけている。
「無洗米=ズボラ米」ではなかった!
「無洗米はマズ米ではない」は本当か?
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12