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夫婦のセックスレスを解決するには「セックスをゴールにしてはダメ」

 夫婦間では月に1回以上SEXしなければ“セックスレス”と、日本性科学会が定義している。レスへの不満や焦りを感じる人がいるのは当然だが、夫婦や家族のありかたが多様化する今、その定義を真に受けてやみくもにレスの解消を目指しても、いい夫婦関係は築けないのではないか。
セックスレス

※写真はイメージです(以下同)

レス夫婦が抱える心の問題「怒りか恐怖」

 セックスレスは精神的にも身体的にもさまざまな要因を抱えている。しかし、それらを夫婦だけで対処するのは難しい。カップルカウンセリングの専門家である臨床心理士の西澤寿樹氏に、セックスレスに潜む真の問題点を聞いた。 「夫婦へのカウンセリングでは、“する気にならない”といった声があがります。“したくない”とは少し違うニュアンスですが、同じことです(笑)。だからといって、相手が嫌いだとか、魅力的でないというわけではないはず。そこを冷静に考える必要があります」  カウンセリングの現場では、“したくない”問題の大元はどこにあるのかを話していくという。 「非常に大きくまとめると、怒りか恐怖であることが多いです。“妻だけED”という言葉がありますが、原因はだいたい心にある。子供のことや生活のこと、日常の最終的なしわよせが性生活にいきつきます。男性でも女性でも、自分が割を食っていたり、嫌な思いをしているときに、無意識的に相手の要望に応じたくなくなるのは普通のことです」 セックスレス夫婦

セックスをゴールにせず、感じていることをシェアするべき

 そんななか、さらに相手に「なぜできないのか」と追い詰められれば、悪循環になる。 「追い詰めるほうも怒りや悲しみを抱いているのは事実。その人の主観として考えると、もっともだと思います。ただ、世の中はどんどん理性的になっていますが、SEXに正しさは関係ないし、相手を無理にコントロールしようとしても、気分を悪くさせてしまうだけ。『妻がしたくなさそうだが、何をすればいいのか』とか、『セクシー下着を身に着ける』といった方法論のアプローチは、一見ロジカルですが、かえって話をこじらせてしまうでしょう」  では、どうすればSEXできる関係性を築けるのだろうか。 「レスを解決したいのならば、SEXをゴールに設定するのはNGです。まずは日常やSEXへの欲求に関して感じていることを、お互いにシェアする必要があります。相手の感情に対して“納得”して自分の心を抑え込んだり、逆にそれは“誤解”だと“説得”する必要はなく、事実として知るだけ。その上で、違いがあるのを前提に、どうやって一緒にやっていくかを探っていきましょう」
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男性機能は、定期的に使わないと衰える
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