せっかく夫がその気になっても、体が機能しなければ水の泡……。ED治療を専門とする浜松町第一クリニック院長・竹越昭彦氏は「久々に『いざ』と刀を抜いたら機能しなかったと、落ち込んで来院される方は多いです」と語る。

「月に一度も性行為がないとセックスレスだと定義されてはいますが、20代ならさておき、40~50代の熟年夫婦にもなると盆・暮れだけでも十分ではないでしょうか(笑)。ただ、『廃用性萎縮』といって、使わない器官は鈍るようになっているので、こういった男性機能の低下は起こりやすくなります。連休明けの月曜日は、体の変化に危機感を覚えた男性の来院で立て込みがちです。途中で“中折れ”してしまうのも、EDの初期症状といえます」
’09年のファイザーの調査では、実に40代男性の6割が“中折れ”に悩んでいるというデータがある。
「勃起力が下がった中高年にはピストンよりも圧迫運動を主とする正常位が適しています。また、副交感神経の観点から朝勃ちを活用した朝SEXもいいでしょう。治療では、バイアグラなどのED治療薬が最も有効。血流に作用し血管を伸縮させるので、『一回の服用で1週間は調子がいい』という報告もあります」

右が正規のシアリス錠20mg。左・中央は患者が中国で購入した偽薬。本来の規格にない100mgとあるが、何がどれほど入っているかは不明
巷では安価で仕入れられる個人輸入も増えているが……。
「輸入サイトで販売されている55.4%が偽薬という調査が出ています。偽薬の副作用リスクは高く、非常に危険。日本の厳しい審査を受けた治療薬に限ります」
こういったリスク情報も、夫にさりげなく伝えておきたいものだ。
【西澤寿樹氏】
臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」でカップルカウンセリング実績多数。男性のみの相談も受け付けている
【竹越昭彦氏】
ED治療専門の浜松町第一クリニック院長。オンライン処方も導入し全国から相談が寄せられる。著書に『40代からの心と体に効く[生涯SEX]のすすめ』(扶桑社)
―セックスレスを解消するには?―
<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/角 佑宇子>