キッズラインで体験したトラブル、母親が男性シッターに関係を迫られ…。“事件未満”のリスクをどう防ぐか?
ベビーシッターと利用者をアプリで仲介するマッチング型の保育サービス「キッズライン」で、登録・活動履歴がある男性シッター2人が、子どもへの強制わいせつ容疑で今年4月と6月に相次いで逮捕されました。
キッズラインは、1件目の事件捜査開始(昨年11月)を受けて、2020年1月3日に「安心安全対策10箇条」を発表しています。それでも2件目の事件が起きてしまい、同社は20年6月4日に男性シッターの活動を一時停止。シッターの選考法や評価制度の見直しも発表しました。
キッズラインの「マッチング型」サービスは、従来の派遣型よりも料金が安価で入会金や年会費も不要、24時間オンラインで予約できる利便性がメリット。女子SPA!編集部にもキッズライン利用者がいて、「とてもいいシッターさんが来た」といいます。
キッズライン以外でも増えているマッチング型業者は、シッターを直接雇っていない分、教育費などが抑えられて料金が安いのです。しかし大切な子どもを預ける保育サービスにこの形式が果たして適しているのか。また利用するなら何に気をつけるべきか。。
事件にならないまでも、上記報道以前に編集部が概要を聞いていた他のトラブル事例もあります。昨年立て続けにトラブルに見舞われたという楠木麻衣さん(仮名・38歳)に取材しました(※キッズライン側への質問と回答は、記事の最後に記してあります)。
楠木さんは夫と離婚をし、4歳の男の子を一人で育てています。病気の治療をしながらオペレーターの仕事をしており、夜勤も多いため、数年前からキッズラインに登録していました。
「遅くまで仕事があるときや通院時、病気で安静にする必要がある時などに利用していました。
以前キッズラインでお願いしていたシッターさんたちは皆さんとても素晴らしい方々だったのですが、その方達が別のシッター会社に移っていなくなってしまい、他のシッターさんを探すことにしたんです。病気の治療をしている私の代わりに、ヤンチャ盛りで体力もある4歳の息子と、思いきり遊んでくれる男性シッターを探していました」(楠木さん、以下同)
2019年夏、楠木さんは新たにAさんという男性シッター(当時29歳)へ依頼をします。Aさんのプロフィールにあった“学童保育で働いていた”という一文が、安心材料の一つだったそうです。
初回は自宅で顔合わせをして、息子とAさんが遊んでいる同じ部屋で二人の様子をうかがいながら仕事をしていた楠木さん。同室で息子と楽しそうに遊んでくれていたAさんの様子を見て、二度目のシッティングをお願いすることに。
「息子が外で遊びたいと言ったので、息子とAさんの2人で公園に行かせました。報告として遊んでいる息子の写真をお願いすると、Aさんはきちんと写真を撮って送ってくれました」
Aの対応にすっかり安心していた楠木さんですが、その後予想外の出来事が起きます。
「2人が公園から帰ってきて、Aが『(息子)くんが汗だくになったので、シャワーを浴びせますね』と言って息子の服を脱がせると、おもむろにAさんも服を脱いで、強引に浴室に入って息子とシャワーを浴びはじめたんです」
楠木さんはパニックになりますが、裸の成人男性がいる浴室に一人で踏み込むことに恐怖を感じ、何もできなかったといいます。シッターが服を着たまま入浴の介助をすることはあっても、親に相談なく服を脱がれるのは初めてのことでした。当然、許可も打ち合わせもしていません。
“事件未満”のトラブルを「マッチング型」で防げるか
病気の治療と夜勤のため、キッズラインを活用していた
息子のシャワーを任せたら、シッター男性まで裸になって……
