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キッズラインで体験したトラブル、母親が男性シッターに関係を迫られ…。“事件未満”のリスクをどう防ぐか?

キッズラインは「うちは何もできない、警察に連絡を」

「キッズラインに電話を! と思ったのですが、息子が心配でその場を離れることができませんでした。さらには、Aさんに何か言って逆上されたらどうしようという恐怖もあったので、浴室の扉に張り付いて、息子に声をかけながら中の様子をうかがっていました」  楠木さんは、Aさんが浴室を出て服を着たのを確認すると、すぐにAさんを自宅から帰します。「気が動転していたのですが、『急に予定が入ったので、今日は帰ってください』と努めて冷静に伝えました。Aさんはおとなしく帰りました」 コールセンター Aさんが帰った後、楠木さんはキッズラインに「勝手に裸で浴室に入られた」「子どもが盗撮されているかもしれない」と連絡をします。しかし、キッズラインの対応は「弊社はあくまでプラットフォームなので、問題がある場合は警察に連絡をしてください」の一点張りで、Aさんへの事実確認などを求めても応じませんでした。 「話し合いの最後に『上司』と名乗る人が出てきて、『不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした』と謝罪をされました。しかし、それ以外は『個人同士の問題なので、これ以上はうちでは対応できません』と繰り返すばかりで話が進みませんでした。挙げ句、『なんでAがお風呂に入っている間に、警察に通報しなかったんですか』とまで言われました」

相手のシッターに事情を訊ける人がどこにもいない

 会社に訴えてもどうにもならないことがわかったので、その後、自分で警察に連絡をしたという楠木さん。ですが家庭内の出来事であったことや、子ども本人への事情聴取が困難なことから、警察の対応も難しいとのことでした。その後、楠木さんのもとにはAさんのシッター代金の請求が通常通りに届き、楠木さんは満額支払いました。 保育 Aさんの行動がわいせつ目的なのか、配慮不足なだけで悪気はなかったのかは不明です。もし第三者がすぐにAさんに話を聞いていれば、彼の態度や言動から何かわかることがあったかもしれませんが――この件で、両者の間に立って対応をする人は誰一人いませんでした。

利用規約に、トラブルは原則「保護者等が解決」とある

「利用規約にも<利用者は、すべて自己の判断と責任のもとで本サイトを利用するもの>(利用規約第20条)とありますし、その仕組みもよくわかります。そのおかげで個人間で気軽に依頼できて助かっていたのも事実です。  でも、だからこそ『あくまでシッターのマッチングアプリだ』ということについて、利用者も認識しないといけないと思います。便利さの反面、利用者にも高い危機管理能力が求められるサービスでもあると感じています」  キッズラインの利用規約7条には<サポートサービス契約に関連して生じた紛争等について、保護者等及び保育者間で解決することを原則とします><当社は、(中略)一切法的責任を負うものではありません>とあります。  今回編集部がキッズライン側に質問すると、「トラブル内容によっては対応する」との答えでした。ですが、基本姿勢は、個人間でのトラブルには関与しない――。
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母親が学生シッターに肉体関係を求められた
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