汗や湿気で髪がゴワゴワ…「夏の髪ダメージ」対策を医師に聞いた
これからやってくる夏の暑い時期、知らぬ間に髪がゴワゴワになっていたりと、髪をきれいに保てず悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、聖心美容クリニック統括院長・鎌倉達郎氏に、夏の髪トラブル対策について聞いてみました。
――夏になると、髪がゴワゴワになって毎年困っています。これは季節と関係あるのですか?
鎌倉達郎院長(以下、鎌倉):そうですね。それは、紫外線によるダメージが大きな要因だと思います。髪も頭皮も日焼けします。特に5月から9月頃までは紫外線量が多い日が続くので、要注意です。
紫外線は、髪のキューティクルを構成する「タンパク質」にダメージを起こします。キューティクルは、髪の表面を覆って内部の水分・タンパク質が失われるのを防いだり、外部刺激から髪を守るバリア機能の役割を担っています。紫外線によりキューティクルがダメージを受けることで、このバリア機能が低下し、髪のパサつきの原因になるのです。
――髪まで日焼けをするとは驚きました。紫外線は顔や手足を日焼けさせるだけではなかったのですね。
鎌倉:髪だけでなく頭皮も、顔や手足同様に日焼けします。日焼けによって炎症を起こすと、頭皮の赤み・痛み・かゆみ・皮めくれ(フケ)などを引き起こします。また、日焼けダメージにより髪の毛をつくる毛母細胞がダメージを受け、機能低下してしまう=薄毛になってしまう可能性があります。
――それでは、紫外線によるダメージへはどう対策したらいいでしょうか?
具体的には、以下3つの対策を行うことをお勧めしています。
①髪用の日焼け止め使用(スプレータイプなど。こまめに2~3時間おきに)
②UVカット加工を施した日傘や帽子の併用
③飲む日焼け止めの服用による、体内部からのケア
少し手間はかかりますが、紫外線ケアをきっちり行うことが髪や頭皮の運命を決めると思います。
――夏にはたくさん汗をかきますよね。もしかして、これも髪や頭皮に悪い影響を与えていたりしますか?
鎌倉:髪の生え際には無数の汗腺(汗の出口)があり、頭皮は特に汗をかきやすい場所です。汗の水分と、頭皮の脂分(皮脂)やフケ(古くなった頭皮の角質)が混ざり、これが皮膚表面の雑菌により分解されると独特のニオイ(頭皮臭)が発生する原因です。さらに、汗の蒸発にともなってニオイが拡散されてしまいます。
――汗や皮脂へは、どういった対策がよいでしょうか?
鎌倉:頭皮を洗う際に、スカルプケア用のシャンプーで角質汚れをしっかり落としましょう。特に耳の後ろや後頭部は特に洗い残しが多いため、意識して洗ってください。
また、汗のニオイを防ぐには、頭皮用の制汗剤を取り入れることもおすすめです。日頃から汗をかいている方のほうが、ニオイの少ない「良い汗」をかきやすくなります。そのため入浴は、シャワーだけではなく湯船につかって汗をかくこともニオイ低減につながります。
髪の日焼けは切れ毛・ツヤ消失の原因に
汗や皮脂は気になるニオイの原因に
