相次ぐ芸能人の自殺で、心が痛い…悲しさをしずめる方法を専門家に聞く
今年の5月以降、芸能人の自殺という悲しいニュースが、世間を騒然とさせています。木村花さん、三浦春馬さん、芦名星さん、藤木孝さん、竹内結子さん。そして11月13日に急死した俳優・窪寺昭さんも「自殺と見られる」と報道されました。
そもそも、「グリーフケア」の「グリーフ」とは、大切な人との死別や喪失の体験による悲嘆や、それに伴うショックで、食事が喉を通らない、物事に対して集中できないなどといった日常生活に違和感をきたす反応のこと。
「家族や友人を亡くしたときだけでなく、芸能人が亡くなったときもグリーフの状態に陥ることは多かれ少なかれあると思います。ただ、今回のショックが長く続くなどといった、グリーフが深刻になる状況には、いくつかの要因があります」(コメントは井手敏郎さん、以下同)
井手さんによると、「亡くなった人(対象)」、「愛着の傾向」、「亡くなり方」、「過去の喪失体験や既往歴」、「その人の気質」、「社会的要因」、「連鎖的なストレス」の7つの要因が複雑に絡み合うことで、グリーフが深刻になっていくそう。
「自死というショッキングな亡くなり方もグリーフを深くする原因の一つですが、それ以外にも、亡くなった芸能人を自分の境遇や自身の家族の立場に重ねて不安になってしまったり、つらいニュースから過去に負った心の傷が反応して揺さぶられたりすることで、悲しみが大きくなってしまうことがあります」
さらに、現在のコロナ禍というストレスフルな状況も、不安を増幅させる要因になっている可能性も。仕事がうまくいかない、自由に活動できないといった抑圧された状況の中で聞いた悲しいニュースは、よりショックを大きくする場合があるようです。
では、グリーフが深くなり、動揺してしまったときにはどういったケアが効果的なのでしょうか。
あまりに短い期間に重なった芸能人の自死のニュースに、ネットや筆者の周囲でも「しばらく衝撃が収まらない」という声がたびたび聞かれました。次々に飛び込んでくる急死した芸能人の情報や出演作品を見るたびに、なんだか心がざわついてしまう人も少なくないはず……。
そこで、こんな感情が続くのはなぜなのか、そして芸能人の悲しいニュースにショックを受けたときのケア方法について、グリーフケアの専門家である、一般社団法人日本グリーフ専門士協会 代表理事の井手敏郎さんに話を聞いてみました。