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コロナ禍で「死にたい」人々と向き合う心療内科医の願い。穏やかに暮らすための対策4つ

【対策その③】夜、布団の中で考え事をしない

不眠、ベッド、布団、睡眠 夜、寝る前に「なぜ私はダメなのか」「失敗した」と考え始めて眠れなくなることはないでしょうか。  この「寝る前の考え事」は、今のように不安を感じやすい情勢下では、ネガティブな感情のループにはまるきっかけになりやすく、なかなか危険です。  ぐるぐると同じことを考えてしまうことを心理学的には「反芻(はんすう)」と言いますが、「私はダメだ」と自己評価を下げ、自己否定の悪循環に入ってしまいやすいのです。  反芻はうつのリスクを高めると言われていますが、特に「寝る前に」「自分のこと」について考えてしまうことで反芻をしてしまうことが多いようです。  もし「いま、反芻に入ったな」と思ったら、いったん気分を変えるために別の行動をとりましょう。どうしても布団の中で考え事をしてしまうという方は、ラジオやオーディオブック、自然音やリラクゼーション音楽などを聴きながら寝ることをお勧めしています。

【対策その④】自分が何からストレスを受けているのかを知る

新型コロナ、マスク、買い物 自分にストレスを与えるものを「ストレッサー」と言いますが、実は、ストレッサーを自覚できている人はあまり多くありません。  ストレス心理学の用語で、日常生活で出会う、小粒でちょっとしたストレッサーをあらわす「デイリーハッスルズ」という言葉があります。例えば、「会社のトイレが汚い」とか「上司の指示の語尾にトゲを感じる」とか、そういうレベルのものです。  ひとつひとつのダメージは小さいように感じますが、むしろこういった誰もがひんぱんに経験する些細(ささい)なデイリーハッスルズの積み重ねが、心身の健康状態に最も影響すると言われているのです。  とくに、小さな刺激にダメージを受けやすい繊細な方ほど、自分が何に傷ついているのかを細かく知ることが必要です。無自覚なものは対策のしようがありませんが、気づくことができればいくらでも対処の可能性がでてきます。  そうやって少しずつ、自分の暮らす環境を整えていくことが、ストレスマネジメントの上で非常に重要なポイントになります。 「特段大きな理由があるわけじゃないのに、なんか気分が落ちこんでしまう」という方は、このデイリーハッスルズ探しをしてみるのはいかがでしょうか。 【鈴木裕介】 2008年高知大学卒。内科医として高知県内の病院に勤務後、一般社団法人高知医療再生機構にて医療広報や若手医療職のメンタルヘルス支援などに従事。2018年秋葉原saveクリニックを開業、院長に就任。研修医時代の近親者の自死をきっかけとし、ライフワークとしてメンタルヘルスに取り組み、産業医活動や講演、SNSでの情報発信を積極的に行っている。著作に「NOを言える人になる」がある。 <文/女子SPA!編集部> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。twitter:@joshispa、Instagram:@joshispa
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