夫がセックス嫌いだと産後に知った妻の苦悩「5年で1回。ナマ殺しです」
女として満たされたい
体の距離は心の距離?
夫が性的興味をほとんどもっていない人だと結婚前に知っていたら、彼女は結婚に踏み切ったのだろうか。
「妊娠しなかったら、当分、結婚はしなかったと思います。夫になった彼とは友だち関係だったかもしれませんね。人間的には本当にいい人だから。
私が酔って家まで送ってもらって、勢いでそういうことになったけど、そうならなかったら彼も私には興味をもたなかった可能性があるし。でも彼はセックスできない人ではないんですよね。極端に性欲が薄いんだと本人は言うんですが。でも『したい』欲求がないから、病院に行こうと言っても及(およ)び腰。あんまり言うと彼がへこんでしまうので言えない状態です」
男性がいるのにセックスはできない。性欲のある女性からすると「生殺しの生き地獄」だとマユさんは言う。それもそうだろう。
「絶対バレない対策をした上で、アウトソーシングするしかないのかもしれないと今は思っています。あらためて夫に私が浮気したらどうする、と聞くのも酷なので、ひっそりと。性欲だけを解消する術を探したいですね」
冷静に話しているマユさんだが、実際には「体中がねじれるようなつらさ」に苛(さいな)まれているという。そういう妻の状況を夫はおそらく知らないのだろう。このまま体の距離が心の距離になっていくことを、マユさん自身が怖れている。
―シリーズ「結婚の失敗学~コミュニケーションの失敗」―
<文/亀山早苗>
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フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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