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子どもを絶対に私立小に入れたい妻、反対する夫との間にスキマ風が

 結婚前から子どもの教育について語り合うことは、あまりないだろう。実際に,子どもを持ってみて、自分たちの経済状況や環境を鑑みて決めていくのが一般的ではないだろうか。  ところが、教育に関して、どうしても譲れない一線を持っている女性もいる。話を聞いてみた。
親子

写真はイメージです(以下同じ)

子どもは絶対に私立小学校へ

 29歳のとき、友だちの紹介で知り合った3歳年上の男性と1年ほどつきあって結婚を決めたアヤナさん(39歳)。夫は安定した職業に就き、同世代の中では高収入だった。 「子どもができるまで仕事を続けましたが、出産後に退職。私、お母さんとして子どもを育てるのが夢だったんです。だから子育てが落ち着くまでは専業主婦でいたかった。  もちろん、夫も了承してくれました。夫の母親は仕事をもっていて子どものころ寂しかったらしいので、私が専業主婦になりたいと言ったときは、むしろうれしそうでしたね」  最初は女の子、そして2年後に男の子が生まれた。そして長女が3歳になったとき、アヤナさんは当然のように名門私立小学校受験の準備を始めた。 「私、子どもが生まれたら小学校から私立に入れるつもりでした。夫は何も言わなかったし、私にとっては当然のことだったんです。私自身、小学校から私立でしたから。塾の費用はうちの親が出してくれました」 小学校受験 ある日、塾に通っていることを知った夫は、「何をするつもりなの」と驚いていたという。私立小学校に入るためには、幼いときから塾に入れないとダメだと説明すると、「ちょっと待てよ」と夫は気色(けしき)ばんだ。 「うちの夫は、それまで私がすることに反対したことがなかったんです。恋愛中もやさしかったし、私の望むことは全部、通してくれた。だから結婚後も当然、そうだと思いますよね。ところが子どもの塾に関しては、かなり抵抗しましたね」

夫が激怒した後はこっそり塾通い

 これが子どものためなのに、なぜ抵抗するのか、アヤナさんにはわからなかった。長女が幼稚園に入ると、塾は2つになった。 「家でも塾の復習をさせていましたね。無理強いはしていません。子どもが興味をもったところを教えていく感じ」  アヤナさんはそう言うが、ある日、勉強のテキスト作りに熱中して、長女が熱を出していることに気づかなかった。 「夫は激怒しました。私も反省しましたけど、何もあんなに怒らなくてもと思っていました。しかもそのころは長男も塾に通い始めていたので、私も忙しかったんですよ。だけど夫は『子どもの健康が第一だろ、塾なんてやめさせろ』ってすごい剣幕(けんまく)で……。  ケンカするのは子どもにとってもよくないので、その場ではわかったと言いながら、こっそり通わせていました」 モラハラ、離婚、破局、パワハラ 子どもの将来を見据えて,小さいころから「いい教育」を受けさせたいと思う妻と、小さな子にそんなことをさせる必要はない、本人が受けたいと思うまで待てという夫。どちらも自分が正しいと思えば譲らないだろう。  特にアヤナさんには、自分が受けた教育と同等、もしくはそれ以上を望む気持ちが強かった。
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夫との間にすきま風が…
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