コロナで育休後に復帰できず…失業したママが、手に職をつけた方法
仕事がないーー!という叫びが世界中にあふれています。
新型コロナウイルスの感染拡大に関連する解雇・雇い止めは、日本で8万4773人(2021年1月29日、厚生労働省)。特に、女性は深刻で、幼い子を抱えながら職を追われてしまった人もいます。
夫と2歳の男の子と3人で都内に暮らす石井恵さん(仮名・33歳)は、4人しか社員がいないベンチャー企業に在籍して育児休暇を取得していましたが、復帰目前で職を失いました。
「去年の4月に職場復帰予定でした。共働きだったので保育園に息子を送るのは夫、私は時短で働いて…と夫婦でシミュレーションし、着替えやおむつ替えなど仕事前の動き方もすり合わせして準備していました。復帰の1カ月前、急に社長に呼ばれて会社で面談をすることになり、そこで『職場に戻ってきても以前と同じ仕事がない。復帰しても給与が大きく下がってしまう』と言われてしまいました。
留学する人にキャリア支援をしたり企業に出向いてセミナーをしたりする仕事だったので、コロナの影響を直接受けてしまいました。4月からは夫も新しい職場に転職することが決まっていたので、最初は時短で働きながらそれをサポートしようと思っていましたが、計画が完全に狂いました」
突然のことでしたが、コロナ禍で次々と会社が倒産するニュースを見るなかで、ある意味覚悟はできていたと言います。
「人数が少ない会社でしたし、安定していないとわかってはいました。息子を第一希望の保育園に入れられることが決まっていたので、失業して保育園に入れられなくなるのではという不安が一番大きかったです」
一度は職場復帰しないと保育園に入れられない事情から、会社は2週間だけ復帰したという形に。石井さんはセミナーのテキスト作成など、自宅でできる仕事をしたあと退職しました。
「最後に一度職場に寄って挨拶はしました。『コロナがおさまったら送別会を』と言ってもらいましたが、まだ集まれない状況ですし、できていません」
石井さんは育休中に、復帰を目指して会社のために始めたことがありました。
「私は2017年に結婚して翌年出産したのですが、生後すぐ息子に腎臓の病気あることがわかり、大学病院に通院していました。薬のおかげで体調が落ち着いてきたので、思い切って前から興味のあったWEBデザインの勉強をしようと思いました。
きっかけは自社の更新が止まった古いホームページでした。育休を取る前、私は就活イベントを主催していてイベントのランディングページを作ろうとしましたが、他の会社と比べてとても古かったので、復帰後に変えようと自主的に計画をたてました。
子育てしながら学べる『Famm(ファム)ママ専用スクール』というところをたまたま見つけられたので、自分のスキルアップのためにも自己負担で入会して、すぐに受講を始めました。そのスクールは、受講中は託児スペースで子どもをベビーシッターさんにみてもらえるんです(コロナ下の現在、講座はライブ配信で、自宅にベビーシッターを無料で派遣)」
「ウェブの知識がほとんどなくて、出産後はPCを開くこともなかったぐらいなのですが、初めて使うMacになんとか慣れていきながら、いろいろなバナーを真似て作りながら練習しました。子育てしながら勉強できるとは思っていなかったので、ママ受講生の仲間から刺激を受けながら短期集中の1カ月で収益につながる実践的なスキルを身に付けることができてよかったです。
息子を保育園に預けるのであればその前に他人とコミュニケーションをとることにも慣れた方がいいと思っていたので、シッターさんにみてもらいながら勉強できるのは私にも息子にもプラスになりました」