Gourmet

老舗洋食店の「絶品ビーフシチュー」2選。とろける牛肉がたまらない

王道の味を極めたビーフシチューの理想形

S級グルメ

グリル佐久良の「ビーフシチュー」

 浅草に洋食店が多いもうひとつの理由は、隣接する「花街」が関係している。花街で働くハイカラ好きな女性はもちろん、旦那衆からも洋食は愛されたそうで、それゆえ浅草には素敵な店が数多く存在するのだとか。 「グリル佐久良」は昭和42年から続く人気店だ。こちらで腕を振るうのは意外にも若き女性シェフ。先代の冨樫正和さんの孫である荒木優花さんが店を継いだのが14年前のこと。  先ほどのフレンチテイストのビーフシチューを「新」とするなら、こちらは「真」。提供された瞬間「そうそう、これだよ」と思わず呟きたくなるほど理想的な見た目のビーフシチューにうっとりする。 「使っている肉は、りんごで飼育された上品な甘さが特徴のりんご和牛信州牛。表面を焼いた肉を、デミグラスソースでじっくり煮込むことで、ソースにもたっぷり旨味が溶け出していますよ」

渾身の一皿で、店が重ねてきた歴史も堪能できる

S級グルメ

先代から50年続く同店。創業当時の写真も飾られ、歴史を感じさせる

 箸で持ち上げればホロホロと崩れるほど、やわらかく煮込まれた牛肉。そこに、旨味たっぷりのデミグラスソースがまんべんなく絡みつき、食べた瞬間「旨い」と口に出さずにはいられない。  荒木さんのモットーは、たとえ、どんなにシンプルな作業であっても絶対に手を抜かないこと。いい材料を使うこと。シンプルな信条だが、ひとつひとつを高めることでここまでの味に到達できると教えてくれる。若きシェフの作る渾身の一皿で、店が重ねてきた歴史も堪能できることだろう。  洋食激戦地の浅草で長く愛されてきた2つの店のビーフシチュー、時間と財布が許せば、ぜひ食べ比べていただきたい。 ▼グリル佐久良の「ビーフシチュー」 下処理の手間を惜しまず、時間をかけてジックリ煮込むことで深みのある味わいに。孫が継ぐと聞いてびっくりした常連客も多かったそうだが、丁寧な仕事は祖父ゆずりだ。一皿2500円(税込み)
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老舗洋食店愛用の調理器具
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●「S級グルメ」東京を中心としたS級なグルメ情報/インスタグラム tokyofood_srank

●レストラン大宮
東京都台東区浅草2-1-3
営業時間:火曜~土曜【ランチ11:30~14:00/ディナー17:30~20:30】 日曜・祝祭【ランチ11:30~14:30/ディナー17:00~20:00】 月曜定休

●グリル佐久良
東京都台東区浅草3-32-4
営業時間:ランチ11:30~14:00 ディナー、17:00~20:00 火曜、水曜定休
東京都の営業時間短縮の要請に伴い当面ランチ営業のみ

※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になっている可能性があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。

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