ここまで言っても納得しない美和子さん。理屈ではわからないようなので、メイクをちょっと直してどれだけ差がでるのか体験してもらうことにしました。適当に書いている眉毛を書き直して、目の下にコンシーラーを塗ってクマを隠し、チークを足すというごくごく簡単なお直しです。それだけで、血の気のない顔が明るい印象になりました。

「確かに違いますね。でも、自分で出来ないと意味がないですよね」
「また『でも』って言ってる。メイクは習いましょう。眉毛は難しいし、私も何回も繰り返してやっと書けるようになりました。
婚活で人気がある女性は、自分に似合うメイクや服装を知っているだけです。天然美人は正直そこまで多くないですし、美和子さんだってまだまだいけますよ」
こうして、ようやく納得してくれました。
「私ってメイクがダメだったんですね」
「そうですよ。顔立ちじゃなくて、メイクがまずかっただけです。やっと気が付いた!」
「だって、誰もそう言わないじゃないですか……」
バツの悪そうな顔をしつつも、その後、メイクレッスンを受けちょっとずつ外見を整えることを始めました。
美和子さんのように、顔が分かりづらい写真を登録している方をよく見かけます。600円のスピード写真を使っている人や、免許証の写真をアップロードしている方もいました。
それは、今まで相談所の人がアドバイスしないからだと思っていました。しかし実際は、相談所の人がアドバイスしてもそれを歪んで受け取り、直さない方がいたからだったのです。単純に「写真がよくないから申込が来ない」と理解できていない可能性もあるのかもしれませんね。
認知の歪みを直した美和子さんは、少しずつですが婚活を頑張っています。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<取材・文/菊乃>
菊乃
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:
@koakumamt