――結婚詐欺師のお決まりのパターンなどはあるんですか。
北川「結婚詐欺師たちが偽る経歴に特徴はありますね。
詐欺師が語る肩書で圧倒的に多いのが個人事業主です。車のディーラーをしていたり、個人で輸入事業をしていたりというものです。フリーのカメラマンというのもありました。彼らはきっちり名刺まで作っていて、早い段階でそれを渡してきます」
――名刺を渡されたら、会社名を検索されてバレそうなものですが。
北川「ここが、個人事業主であるポイントなんですよね。『
親から引き継いだ会社を細々とやっている』『
昔からの得意先と仕事をしているから、ホームページなどもない』と煙にまかれることが多いようです。ビルの一室や自宅に事務所を構えて、輸入業をやっていると言われれば、それ以上確認しようがありません」
――あまりなじみのない仕事だと、専門用語を使われてはぐらかされそうですしね。
北川「名刺に書いてある住所を訪ねていっても、実際にある建物の前について『
あのビルに事務所があるのか』と嘘の建物を確認して終わるだけです。そもそも、名刺に書かれている会社の住所を見にいく人はあまりいないと思います。個人でやっているから大々的に公表もしていないということで、会社の実態なども深掘りはできません」