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息子2人を東大合格させた働くママ「料理を一緒にすることで、賢い子に育つ」

料理中に子どもに問いかけて、五感を意識させる

 長男も次男も、幼い頃からどちらかと言うとインドア派。身体を動かして遊ぶよりも、家で本を読んだり、映画を観たり、テレビゲームをすることのほうが断然多い子どもたちでした。彼らに、五感をフルに使えるような機会を与えたい──そういった意味でも料理は有効でした。 入江のぶこさん 泥のついたジャガイモを触ると手は汚れるし、生の魚はヌルヌルしていて匂いも強く、肉を触ると手が脂でベトベトする──自然に近い食材を手で触ることで得られる情報はたくさんあります。勉強では習わない“手で触り、肌で感じること”は、とても大切だと思います。 料理中に子どもに問いかけることで、五感を意識させることも大切です。 「このお肉、赤いところと白いところがあるね。ほら、触ってみて。ちょっと違う感じがしない?」 「こっちはお酢。こっちはお酒。どっちも透明だけど、匂いを嗅いでみて」 「パチパチとジュウジュウ。同じお肉を焼くにも、音が違うね。どうしてだろう?」  問いかけられたことで、子どもは感覚を研ぎ澄ましていくでしょう。五感のすべてを使う料理は、子どもにとって、机で勉強しているだけでは得られない学びの宝庫なのです。  そうしてあらゆる感覚のレベルが上がった子どもは、柔軟性や発想力も伸びていき、 “生き抜く力”や“自分で判断できる力”を持った、“人間力”の高い大人へと成長するのです。

料理でデジタル脳とアナログ脳の切り替えを

 我が家では、料理は子どもたちを“デジタル脳”から“アナログ脳”に切り替えてくれる、大事な役目も担っていました。  時間があればゲームばかりやっている彼らに、「今日はあなたたちが大好きなカレーにする予定なんだけど、ちょっとこのニンジンの皮を剥いておいてくれない? 時間ある?」と、わざと声をかけるのです。  ずっと使い続けている“デジタル脳”をクールダウンするためにも、五感をフルに使う料理は有効ではないだろうか──その持論が正しかったと思いますし、 子どもたちにとってはリフレッシュになったようです。 「賢い子」は料理で育てる<文/入江のぶこ> 東京都生まれ。フジテレビ報道記者だった夫が、1994年、カイロで事故死。息子2人を連れて帰国後、フジテレビに就職。バラエティ制作、フジテレビキッズなどを担当、部長職も務める。2017年7月に退職後、東京都議会議員選挙に出馬、港区でトップ当選を果たす。著書に『自ら学ぶ子どもに育てる 息子2人が東大に現役合格した、ワーキングマザーの子育て術』、『「賢い子」は料理で育てる』がある
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