
※画像はイメージです(以下、同じ)
何よりつらいのが摂食障害だ。痩せていないと自分を好きになれない。私は昔からぽっちゃり体型で父や同級生からデブとからかわれていた。痩せようと頑張ったこともあったが上手くいかなかった。
一時期は過食症のように食べ物を詰め込んでいた。しかし就活が引き金となって拒食症の症状が表れ、突然痩せた。とても気持ちが良くて、みんなに私の痩せた姿を見てもらいたかった。
ところが先にも述べたが、コロナによる自粛太りのため体重が42kgから一時は49kgにまで増えてしまった。鏡に写ったぽっちゃり体型が嫌で、食べた後嘔吐することもある。嘔吐しているときは苦しいのに気持ちが良い。これはリストカットするときの心境にもよく似ている。吐いた後はスッキリするし、食べたことがなかったことになる。
BMIで言うと今は標準体重なのだが、私が目指すのは華奢で痩せ過ぎの女性だ。そんな女性が愛されるような錯覚に陥っている(実際はそうではないことは分かっている)私は「愛されたい病」なのかもしれない。でも、自分を好きになるためにも、早く体重を戻したい。
2008年の秋、世をリーマンショックが襲った。私は当時大学3年生で、ちょうど就活を始めた頃だった。大学時代、心のどこかで書く仕事がしたいと思っていた私は小さな出版社でバイトをしていた。
ところが、仕事がハード過ぎて校了前は何日も帰れず、女性社員は身体を壊し、男性社員は精神を壊して辞めていくのを目の当たりにして、とてもじゃないけれど私にこの仕事はできないと思い、出版社は一社も受けなかった(バイトはきちんと時間が決まっていて労働環境には恵まれていたし、出版のいろはを学べたのは今につながっている)。
何よりバンギャル(編集部注:ヴィジュアル系バンドの熱狂的な女性ファン)活動を優先したかった私は、9時―17時で帰れて残業の少ない一般職や事務職を中心に就活を始めた。特にやりたい仕事はなかったので、志望動機やエントリーシートを書くのに一苦労した。また、数学が全くダメなため、SPIはどんなに勉強しても数学だけ解けなかった。大手企業はほとんどが入社試験にSPIを取り入れている。そこで私は大手企業を諦め、SPIのない会社を狙い始めた。