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不倫がバレて追い出された40代妻「義母と夫の世話だけの人生よりも…」

40歳で春が来た

 40歳のとき、自宅の近くで自転車に乗った知らない男性に声をかけられた。東京から来たひとり旅の男性で、道に迷ったのだという。 「たまたま時間があったので、少し道案内をしたんです。大きな街に出るにはどう行ったらいいかとか、近くの観光施設とかを知らせながら。  彼が『このあたりでコーヒーを飲める場所はありませんか』と言うので、隣町との境まで行って喫茶店を教えました。すると彼、『一緒にどうですか』と。  思わず周りを見渡したけど、知り合いはいなさそうだったし、家族が通るような場所でもなかったので、勧められるままに喫茶店に入りました」 コーヒー 喫茶店 久しぶりの喫茶店だった。まして男性とふたりでお茶を飲むのは結婚後、初めてのこと。それだけでドキドキしたという。 「勤続20年の節目で休暇をとってあちこち自転車の旅をしている彼―タカシさんというんですがーの話は、とても楽しくて時間が過ぎるのがあっという間でした。別れ際に連絡先を交換しあいました」  マサコさんは、それを「天からの贈り物の時間」だと思ったそうだ。その頃には義弟も義妹も家を出ていたが、腰を悪くしたものの口だけは達者な義母の世話が彼女の肩にのしかかっていた。 「2週間後くらいにタカシさんからメールがありました。無事に帰京して仕事に戻った、と。『あなたと話した時間が忘れられない』とも書いてあって、読んでいて顔が赤くなるのがわかるくらい恥ずかしかった」

男女の仲になり、泣けてたまらなかった

 それを機に、彼とときどきメールのやりとりをしたり、夫や子どものいない昼間に電話で話したりした。お互いの状況がわかっていくにつれ、タカシさんは「子どもを連れて東京に出てくればいい」と言うようになっていった。 「彼にも家族がいるので、無責任なことを言うとは思ったんですが、それでも私のことを心配してくれる人がいるのはうれしかった。  タカシさんは『家は用意する、あなたの仕事は僕が責任を持って確保する』と。彼、外資系企業のサラリーマンなんですが、友だちと副業で会社を経営しているので、そこで雇うこともできるって」 不倫 女性 こんな家庭から脱出したい。彼女は本気でそう思ったが、踏み出す勇気はもてなかった。何よりタカシさんを信用していいかどうかさえわからない。そんなやりとりが続き、半年後のことだ。タカシさんは「あなたに会いたい」とやってきてしまった。 「朝、私を迎えに来て車で離れた町まで行って……。ゆっくり話し、ついには男女の仲になってしまいました。  私はセックスなんていいと思ったことがなかった。夫はいつも地元のスナックに行って酔って帰ってきて無理強いするんですが、そういうものだと思っていた。でもタカシさんは優しかった。それがうれしくてせつなくて泣けてたまらなかった」
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家を出ることを決意。が、関係がバレた
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