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「生きてるからうんちもするし」むき出しの女性を描く人気漫画家に聞く

キャラクターには紙を隔てた向こう側で元気に過ごしてて欲しいな

――ちなみにですが、今まで描いたキャラクターの中で、また描きたいキャラや、付き合いたいキャラ、ご自身に似ているキャラはいますか? にくまん子:また描いてみたいなって思うこともあるんですけど、毎回毎回「もうこの子は描かない!」っていう気持ちも若干あるので、その後の話を描く勇気が今はまだちょっとなくて(笑)。もうちょっと時間が経てば変わるのかもしれないですけど。  付き合いたいキャラは…難しいですね(笑)。会ってみたいなと思うのは『恋煮込み愛つゆだく大盛り』の「よよ」と『涙煮込み愛辛さマシマシ』の「2美ちゃん」って最初思ったんですけど、お互いガチガチの重い女なので警戒しちゃいそうかなと(笑)。だからこそ紙を隔てた向こう側で2人とも元気に過ごしてて欲しいなみたいなのもあったりして。 『恋煮込み愛つゆだく大盛り』の「ヨソミさん」は、その2人に比べて懐が深そうなところがあるので、飲み友達くらいになれたらいいですよね。
にくまん子「涙煮込み愛辛さマシマシ」 (ビームコミックス)KADOKAWA

にくまん子「涙煮込み愛辛さマシマシ」 (ビームコミックス)KADOKAWA

――ヨソミさんは、男性とマッチングアプリで会った後、ちょっといいジュース飲むところがリアルですね。 にくまん子:いい女ですよね(笑)一仕事終えたご褒美みたいな感じで。  自分に似てる、というのとは違うんですけど、以前サイン会をさせていただいた時に見た風景が2美ちゃんのトークショーとダブるところがあって、ちょっと怖い気持ちになったというか、作品が私に追いかけてきたみたいなところがあって、ゾクッとするなあという経験はしました。

説明しきれない人との繋がりって世の中にある

――今後の作品について、何か展望があれば。 にくまん子:今まで、恋愛をベースにした人間関係を描いていたんですけど、恋愛の要素を超えた関係を描けたらいいなと思ってはいます。家族だったり、友達だったり。  人間同士の繋がりを描こうとするとどうしても肉弾戦みたいなぶつかりあいの恋愛みたいな話になりがちだったんですけど(笑)、世の中には名前のない人間関係とか、説明しきれない繋がりってあるよなと思っていて。  こういう言い方だと怖いんですが、日々人間との繋がりにストレスを感じることが多くて(笑)。つらい時もあるんですけど、まだ生きていこうかなって思えたりするのも、だいたい人間のおかげだったり、人の繋がりがあるおかげで救われるみたいなとこがあって。  傷ついたりもするけど、結局助けてくれたり幸せになったりするのは誰かがいてくれるおかげだったりするなと思っていて。  見えない繋がりに悩んでいたり喜んでいたりすることがすごく多いので、そういうところをもう少し掘り下げて描けていけたらいいなと思っています。 ======= 『いつも憂き世にこめのめし』は、涙と鼻水でビショビショに濡れた女は出てこない。終始穏やかで静かな日常を描いているが、随所でにくまん子作品らしい独特の間や言葉選びのセンスが光る。  作品タイトルにもなっている「そのままがいいよ」というセリフは、お互いを大切に想い合う人たちを関係性ごとまるっと全肯定してくれる。  読み終わった後、いつも近くにいてくれる人をより大事にしたくなる優しい作品集だ。 <文/藍川じゅん> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
藍川じゅん
80年生。フリーライター。ハンドルネームは永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。
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