Entertainment
Human

「推しは作るものじゃない、突然やってくるんです」アラフォーおっかけ漫画家に聞く

 竹内佐千子のコミックエッセイ『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな! アラフォーおっかけレズビアン!』発売記念インタビュー。
竹内佐千子『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな!アラフォーおっかけレズビアン!』集英社

竹内佐千子『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな!アラフォーおっかけレズビアン!』集英社

 作者・竹内さんと担当編集エイチさんに、おっかけのこと、家族のこと、健康のことなどを、独自の切り口と表現力で描いた本作品の制作裏話を聞いた前編から、話題はアラフォーの推し活談義へ…。 【『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな! アラフォーおっかけレズビアン!』第1話出張掲載】⇒試し読みはこちら 【作者・竹内佐千子さんwith担当編集エイチさんインタビュー記事】⇒前編はこちら 【竹内佐千子さんの前作についてのインタビューはこちら】⇒47歳本部長が突然赤ちゃんに!安田顕の声でアニメ化『赤ちゃん本部長』原作者に秘話を聞く 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

推しに自分の健康をゆだねるのはやめようね

『女子SPA!』編集K(以下、K):おっかけの際は体力に気をつけたほうがいいという回(第5話「蘇らないオタク」)が、公開時にツイッターでとてもバズっていました。推し活をしている人からの反響が大きかったのでは? 竹内佐千子(以下、竹内):身につまされたって意見が多かったですね。もうすでに壊しちゃった人とか。アラフォーで推し活してる人多いですからね。テレビで推奨してるくらいですし。ほんとやめて!って思いますけどね。 K:最近、テレビなどで「推し活がいかに心の健康にいいか」みたいに言われていますけど、そういう部分だけじゃないという…。 竹内:そうです。推しに自分の健康をゆだねる人とかいるから、それは本当にやめようねって思います。推しの全部を知ってるわけじゃないですからね。いい子だと思ってた子がいつ何で捕まるかわかんないですから…。  逃げ道をたくさん用意しておくことが大事。あまり一直線になりすぎないでね、アラフォー…。エイチはうまいんですよね、そのへんが。 エイチ:そうですね、通勤時間しか動画を観ないとかルールを決めてるんです。最近のアイドルって複雑すぎてついていけないんですよ。アプリを入れないと観られない動画があったりとか、SNSの基礎スキルがないと追いかけられない。それが自然とブレーキになっているんです。
©竹内佐千子 集英社

©竹内佐千子 集英社

全部網羅しようとしちゃうんですよね、アラフォーって

竹内:私たちが20代の頃って、プラットフォーム自体が少なかったじゃないですか。ライブハウスに行ったりとか、雑誌買うくらいしかなかったと思うんですよ。後はテレビとか。  だけど今って、テレビもあるし、YouTubeも、インスタライブ、ツイッター、クラブハウスもできたし、それに加えて従来のCD、DVD、ブルーレイ…。で、コロナになって配信も増えた。どうしても全部網羅しようとしちゃうんですよね、アラフォーって。頑張れば網羅できていた時代の人たちなので。  でも絶対体がついていかないんですよ。脳みそのスペックがそもそも足りてない。  アイドルの人たちは、全世界にファンがいるのでいろんなプラットフォームからいろんな国の人に向けて発信するのは当たり前だと思うんですけど、それを全部追いかけようとするとお金では解決できない域に達してしまうから。  好きなものは取りこぼしたくないっていう気持ちはわかるんですけど、全部はやめよ?って。  あと、リアルタイムにこだわるのもやめよ? 観れなくてもアーカイブが残るから大丈夫だよ?って。
次のページ 
推しは作るものじゃない、突然やってくるんです
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ