●ウイルス保持者だと伝えていないキス
風邪、口唇ヘルペスやHIVなどのウイルスをもっている人は性的同意を確認すること。HIVはキスから感染しないと言われていますが、口内の傷がある場合にはオープンマウス・キスで感染する可能性もあります。口唇ヘルペスは活性していない状態でも感染させる場合があるので、ウイルス保持者はキスをする前に相手へ伝えること。
言いにくいと思いますが、こんなふうに伝えてみてください。
「あなたのことを大切に思っているから伝えるけれど、私は口唇ヘルペス保持者なんだ。世界の2/3が感染していると言われているぐらい無症状の人も多いのだけど、一度ウイルスをもつと抵抗力が弱ったときに症状が起こり起こるかもしれない。治療薬もあるけれど、それでもいい?」とウイルスのリスクを全て告げた上でキスの同意を得ましょう。
これは、真剣な交際を望める相手かどうかを見極める指標ともなります。
「キスは話すのを止めるために、自然が作った素敵な仕掛け」と大女優イングリッド・バーグマンが言ったように、キスは愛情を”伝えて受け取る”非言語コミュニケーション。基本的な礼儀をおさえるのは重要ですが、テクニックに固執することなく、様々なシチュエーションやバリエーションを組み合わせてクリエイティブに遊びましょう。
素敵なキスはリレーションシップを育むことになるのではないでしょうか?
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連載・大人のセクソロジー #3 ―
<文/此花わか>
此花わか
ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):
@sakuya_kono