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純愛なのに“超ホラー”!マンガ『青野くんに触りたいから死にたい』が新感覚すぎて混乱

序盤からちりばめられた“伏線”にもゾッとするはず

 もう1人、欠かせないのは“ペディキュアの女”。黒青野くんに憑依されている間に現れる謎の女なんですが、顔も描かれていないのにとにかく怖い。タイミングや構図が本格ホラーそのもので、この女が現れることで作品の緊張感と説得力がグッと増します。その正体は原作で描かれているものの、どうして優里の前に現れるのかはまだ謎のまま。 『青野くんに触りたいから死にたい』 この他にもさまざまな謎解きの要素も加わり、話が進むにつれより不穏な方向へ二転三転していきます。しかも物語の序盤からそれらの伏線がちりばめられていて、読み返した時にゾッとすることも。  ペディキュアの女がどんな演出で実写化されるのか、原作に登場した伏線の数々がドラマでどう描かれるのか、期待したいところです。

官能的な憑依シーン、切ないキスシーンも見どころ

 ドラマ化において個人的に楽しみなのが、キスシーンと憑依のシーン。青野くんと優里のキスはどれも切なく美しく、絶対に結ばれない2人だからこそのインパクトがあります。特に、「加々智山」でのキス(原作3巻)は重要なシーンとなっており、ドラマでも要になるはず。また、第1話の官能的な憑依のシーンを、佐藤勝利と髙橋ひかるがどのように演じるのか。今からワクワクしてしまいます。
 さらに、口は悪いけど頼りになる青野くんの親友・藤本(神尾楓珠)、豊富なオカルト知識で青野くんと優里をサポートする美桜(里々佳)、妹に執着し嫌がらせを続ける優里の姉・翠(水沢エレナ)など、魅力的で癖の強いキャラクターたちが、どう演じられるのかも注目したいポイントです。 ========  好きな人と一緒に居たいと願うだけなのに、お互いを苦しめてしまう青野くんと優里。『青野くんに触りたいから死にたい』で一貫して描かれているのは、人を大切にすることの難しさです。  2人のピュアな感情を丁寧に描くことで、狂気と恐怖がより際立つこの作品。純愛要素とホラー展開のバランスが絶妙です。また、原作では緊迫した場面で急に笑えるコマを挟んできたりするので、作者の手のひらの上で転がされる楽しさも味わえます。  今年は、2月22日(火)に最新9巻が発売予定で、ドラマ放送と共にますます『青野くん』熱が高まるはず。ドラマも原作もチェックして、“新感覚”を味わってみてください。 【漫画の試し読み】⇒第1話「初めての彼氏」 <文/藍川じゅん>
藍川じゅん
80年生。フリーライター。ハンドルネームは永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。
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