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「猫にやさしい町」日本一になるかも?”猫助け”に寄付1.6億円を集めた市

保護猫活動を「ビジネス」として行うワケ

猫が日本を救う

ネコリパブリック代表・河瀬麻花氏

ネコリパブリックは全国7店舗の保護猫カフェを運営する。保護猫活動はNPOや個人ボランティアによって寄付金や持ち出しで担われてきたが、ネコリパブリックはビジネスとしての“自走”を掲げ、株式会社の形態をとる。 ただ、カフェ事業は経費がかさみ、黒字化はできない。それをイベントや物販、企業とのコラボレーションなどの収益で補ってきた。
猫が日本を救う

キジトラの「みみい」は1歳未満のメス。岐阜市でレスキューされた。人なれ特訓中で、譲渡の際は仲の良いオスの茶トラと2匹一緒

代表の河瀬麻花氏はビジネスにこだわる理由をこう説明する。 「最終的な目標は、私が死んでもネコリパブリックという会社が残り、猫たちが継続して救われていく仕組みをつくることです」 寄付だけでは不安定で、かといって、行政からの助成は期待できないからだという。 「日本では、『人間の課題が山ほどあるのに、なぜ動物に税金を使うんだ』という反対意見が出て、動物に関する補助金や助成金が出されにくいんです」 そこで河瀬氏は、ビジネスとして自立を目指すと同時に、ふるさと納税を活用し、猫を通じて社会問題を解決するというアイデアを思いつく。他所から集まった支援金での保護猫活動であれば財政の負担はなく、猫嫌いの人でも反対する理由がない。 「それを言い続けていたら、岐阜県飛騨市で『ふるさと納税活用ソーシャルビジネス支援事業』ができたので応募しました。猫を切り口にした複数の事業を立ち上げて、猫を救いながら地域の課題も一緒に解決していくという計画です」
猫が日本を救う

飛騨市の都竹淳也市長(右)と「ソーシャルビジネス支援事業」の記者発表に臨むネコリパブリック代表の河瀬麻花氏(中央)

3か月で集まった金額は1億6千万円を超えた

「SAVE THE CAT HIDA!」と名付けたプランが採用され、昨年10月からふるさと納税で支援金が集められることになった。 個人のふるさと納税・ガバメントクラウドファンディング・企業型ふるさと納税の合計額は、昨年12月末までの3か月間で1億6400万円。5年で目標としていた5億円のうち、3割以上の支援金が集まった。支援金の半分、上限5000万円までが年度ごとの事業費に充てられる。 「SAVE THE CAT HIDA!」の5か年計画は、下記のとおり。実現していけば、飛騨市は「日本一猫に優しい町」として注目を集めるだろう。 SAVE THE CAT HIDA!の事業計画 <’21年> ・猫プロダクトの開発 飛騨市の名産品を生かし、ネコ好きな人々の心を動かす商品開発を行う。 <’22年> ・猫勢調査 飛騨市内で飼養されている猫や野良猫の情報をデータベース化する。 ・保護猫シェルターの設立 コンテナを改修し、保護猫シェルター兼カフェを設立。地域の人々が集える場所にする。 ・不妊手術保護猫専門病院、ホスピスの設立 移動式の不妊手術保護猫専門病院とホスピスを開設する。 <’23年> ・高齢者猫シェアリング 地域の高齢者に保護猫を預かってもらい、高齢者の見守りも行う。 ・町おこし 上記事業を通し、飛騨市が「日本一猫に優しい町」として広まることを目指す。 <’24年> ・日本初の猫の学校設立 猫や社会事業を学べる学校を設立し、保護猫活動を担う人材を育成する。 <’25年> ・空き家の活用 飛騨市内の空き家を改装し、猫と一緒に働けるシェアハウスや猫との暮らしを体験できるゲストハウスを造る。保護猫たちのためのシェルターの役割も担う。 ・火葬事業 ペット墓地・霊園、ペットロスケアプログラムの整備。猫の行く末にも寄り添う。
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高齢者の孤立化を防ぐ「高齢者猫シェアリング」
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