しかし、懐かしい気持ちも束の間、しばらくしてお酒が回って気が大きくなったのか、Aくんは会話の中でちょいちょいミドリさんを“俺の女”扱いしてきたのです。
「こちらがフレンドリーに話していたら、Aくんの態度がどんどん馴れ馴れしくなり『お前昔から辛いもの苦手だよな~』とか、『いつも荷物が多過ぎなんだよ』とか言ってきたんです。まるで長く付き合ったかのようなセリフですが、当時、付き合ったのは2ヶ月ぽっきりです。デートも数えるほどしか行っていないのに…」
そんなAくんの様子を見て、他の友人達も少しひいているようだったと言います。
そんな中、友人のひとりから「彼氏さんは何してるの?」と聞かれた紗南さん。必要以上に紗南さんに馴(な)れ馴れしくしてくるAくんに、クギをさしてくれたようでした。しかし、それにもAくんはからんできます。
「私が『デザイナーだよ』と答えると、Aくんはわざとらしく吹き出しながら『ぷっ、デザイナー様!(笑)』と嫌な感じにおちょくってきたんです」
嫌な空気を出すAくんを一掃するように、友人は紗南さんに「すごい!なんのデザイン?」など質問をして助け船を出してくれました。
「彼氏は某有名企業でプロダクトのデザインや設計をしているんです。某有名企業の名前を出したら『あ~あのブラックで有名なとこね(笑)』と言ってきたり…。何かとマウントを取ろうとしてくるんです」
しつこく絡んでくるAくんにウンザリし、少しでも“カッコ良くなった”と、最初に思ってしまったことを後悔したといいます。