
そんなある日。トトちゃんとくっつきながら過ごしていたタヌくんは、こたつの中で排便。
「おそらく、もうトイレまで行けなかったのでしょう。それでも、補液をした後は歩き、撫でてあげるとゴロゴロと嬉しそうでした」
心配だから一緒に寝たいと思ったものの、トトちゃんがまだぴっぷーさんに慣れていなかったため、夫婦水入らずで過ごせるよう、おやすみと言い、就寝。明け方、家族から、タヌくんがこたつの中で亡くなったことを聞かされ、悲しみに暮れました。
「トトは驚いたようで、亡くなった直後はコタツの外にある猫ベッドで、じっとしていました。でも、最期の時にトトがそばにいてくれてよかったです」
ぴっぷーさんは大好きな夫を亡くしたトトちゃんのメンタルを心配していましたが、目の前で亡くなったことで事実を受け入れられたのか、思っていたより回復は早かったそう。

おうちでよく見せてくれていたラブシーン
「タヌには、もっと長生きしてもらいたかった。何が正解だったのかは分からないけれど、保護しなかったら、きっと夏は越せなかったと思う。その猫生は幸せばかりではなかったけれど、あったかい家の提供で、少しでも恩返しができていたら嬉しいです」

そばに温もりを感じなくなった今でも、ぴっぷーさんにとってタヌくんは愛しく、尊敬できる存在です。
「今まで人間に対して、偉大だなと感じたことはありませんでしたが、タヌは心の底から敬える漢。偉大、尊敬、大黒柱、武士道などの言葉を体現してくれました」
タヌくんにそっくりな子どもたちと、彼が心から想った奥さんを大切にしながら、ぴっぷーさんはこれからも天国へ旅立った小さな家族を愛し続けていきます。
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<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291