「ヒョウ柄=大阪のハデなおばちゃん」?欧米では逆のイメージである理由
『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
服作りに用いられる素材の中には、俗に柄物と呼ばれる、何かしらの図柄があしらわれたものがあります。それらは出来上がった生地に後からプリントされたものもあれば、生地を織る段階で地色と違う色の糸を織り込んで作られるもの、刺繍されたものなどさまざまです。
柄の種類も、花柄、幾何学模様、人物や風景など、想像できるほとんどのものが用いられます。その中でも代表的なものの中に動物柄があります。
動物柄というときに、犬や猫、ウサギといった動物の全体像を表現するものと、トラ柄、ヒョウ柄、シマウマ柄、牛柄など、動物自体が生まれながらに持っている毛並みや色の違いによって作られる柄があります。
ちなみに、どういうわけか、サバトラ、三毛など、家猫の毛並みの柄物はほとんど見られません。ごくたまに、三毛猫のようなフェイクファーの素材を見ることはありますが、それは本当にまれなことです。
しかし、家で飼う見慣れたネコ科ネコ属の柄は見ないかわりに、ネコ科のヒョウ系統である、トラ、ジャガー、ヒョウの柄の素材は多く見ます。中でも、日本で俗にいうヒョウ柄は、いつの時代も廃れることなく、何かしらある継続する人気の柄です。
トラ柄やゼブラ柄、ダルメシアン柄といろいろ。中でも、ヒョウ柄だけがずっと継続して作られ、かつ人気がある柄なのかについて、私はずっとその理由がわかりませんでした。
単に柄として好まれるのか、それ以上の意味があるのかどうか。その謎が解けないまま年月が過ぎました。
特に、日本でヒョウ柄を好んで着る人は「派手好きな大阪のおばちゃん」だと言われてきました。関西に住んだことがないので、実際にどうなのかはよくわかりません。しかし、「ヒョウ柄の服を着る人=大阪の派手なおばちゃん」だと多くの人が思い込んでいる、あるいは思い込んでいたということは確かでしょう。
日本では派手だと思われているヒョウ柄ですが、外国のファッション誌やコレクションを見ていると、ヒョウ柄の位置づけはどうやら日本のそれとは違うようなのです。
大体の場合、ヒョウ柄はシックやエレガントな装いの文脈で登場します。そしてエレガントの雄であるディオールやサンローランのコレクションでヒョウ柄の衣服は頻出するのです。
ヒョウ柄はいつの時代も人気
ヒョウ柄=「派手好き」と言われるけれど…
何かそれには特別な意味があるはずだと、ちょこちょこ調べて数年。西洋の文化において、ヒョウ柄は特別な意味を持つものだということがわかってきました。