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登坂広臣“ØMI”独占インタビュー「心ではずっと泣いていた…」オーディションの裏側を語る

「涙をこらえて再び立ち上がることの強さ」

『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』――課題審査では、一生懸命考えたことも、プロの目からすると箸にも棒にもかからず、手厳しい言葉を受ける。少しは褒められるかもという甘い期待は砕かれます。彼女たちの、このもどかしさ、歯痒さを、ØMIさんはプロデューサーとしてどんな気持ちでみつめていましたか? ØMI:今回のオーディション審査では、僕がトップのプロデューサーでしたが、音楽プロデューサーのALYSAさん、ダンストレーナーのRuuさん、ヴォーカルプロデューサーのEmyliさん、サウンドプロデューサーのZEROさんと、各分野のプロフェッショナルの目線が必要でした。僕の提案で5人のプロデューサーチームを作らせてもらいましたが、多分、僕ひとりでは、候補生の彼女たちが紡ぐ物語の細部にまで気づけていたかどうか。  ダンスならRuuさん、ヴォーカルならEmyliさんが厳しい指導の中で、出来ていないところは出来ていないとしっかり伝えていく作業が大切です。各分野のプロフェッショナルの方に直接アドバイスをもらえる環境で、心が砕かれようが、ダメ出しをもらおうが、それが彼女たちの成長に繋がります。それは、僕自身、2010年の「EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2~夢を持った若者達へ~」の経験から感じていたことです。  番組では特にEmyliさんの厳しい指導風景が描かれました。でも彼女は、ほんとうに候補生ひとりひとりのことをずっと考え、誰よりも愛を持って接している人です。Ruuさんもそうですが、涙をこらえて再び立ち上がることの強さを僕らプロデューサーチームは知っているので、愛があるからこそ、そこは心を鬼にしてやってきました。  僕の場合、各ミッションの後に合否を伝える立場です。ほんとうは心でずっと泣いていましたが、それをぐっとこらえて、自分の人間らしさを彼女たちにみせてはいけないと思っていました。 ――Final Missionの課題曲「Lonely」をEmyliさん自ら歌う場面が、ぐっときました。ØMIプロデューサーも涙をこらえた瞬間はたくさんあったわけですね。 ØMI:毎回心の中でずっと泣いていました。

アーティストとしてそこに存在するためにはビジュアルも重要

『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』――ビジュアルディレクターのSARAさんのサポートも大きいですよね。 ØMI:プロデューサーチームとしては紹介していませんが、SARAさんのことは昔から知っています。彼女にも書類審査から参加してもらいました。メイクやヘアスタイルひとつで、ガールズたちの表情や印象はがらっとかわるものです。そしてその見た目が、彼女たちの自信として内側から出てきている。もぞもぞして不安げな表情を浮かべていた子たちが、SARAさんの手にかかると、凛としてステージに立っている印象を与えます。  アーティストとしてそこに存在するためにはビジュアルも重要です。その意味でビジュアルディレクターとしてのSARAさんの貢献は、物凄く大きい。ビジュアルだけではく、距離が近い分、彼女たちのメンター的な役割にもなっています。プロデューサー陣には言えないけど、SARAさんには言えるという安心感です。  Final Mission審査で、何10センチも髪を切った候補生もいました。何かのきっかでそこまで切るには勇気がいると思います。僕も元美容師だったので、心境は分かるつもりですが、でもそこはSARAさんとガールズたちとの信頼関係があるからこそ、それを後押ししたんだと思います。 ――3rd Missionで、バレエの表現力を活かしたANRIがうまく表現できず、行き詰まり、涙します。そのときSARAさんが、ANRIらしさを言葉にしたらいいと指摘していました。彼女はそれを形にしてFinal Missionを前に1位になります。アーティストとして自分の表現を言葉に置き換えることは重要ですよね。 ØMI:自分も13年近くアーティストをやってきて、ステージに立つことがほんとうに大変なことだと実感しています。当然ですが、たとえ精神状態が保てないときでも、自分を削ってステージに立たなければいけないときだってあります。そういったとき、自分の気持ちを言える仲間は必要だと思うんです。  そうした経験から僕なりに学んだことは、候補生の彼女たち個人個人に言っています。僕は、彼女たちに対して24時間、365日、いつでもその間口を開けているつもりです。
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自分が思い描くプロデューサー像の理想
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