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登坂広臣“ØMI”独占インタビュー「心ではずっと泣いていた…」オーディションの裏側を語る

取材を終えて…

 ØMIさん、2回目の取材。約1年に及んだオーディションがクライマックスを迎える『iCON Z~Dreams For Children~』のガールズグループ部門プロデューサーとしての仕事を浮き彫りにすべく、取材日当日の深夜まで質問案を練った。何といっても臣くんである。気概十分で臨んだ取材では、前回の取材同様にまず、テレビ東京で毎週日曜日よる9時から放送されている番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』の収録を見学した。今回は、別室のモニターでの収録見学だった。でもこれが、スタジオ内での見学より、思いの外、ドキドキ、ドキドキさせられるのだ。  収録を終えたØMIさんが、そのままこの別室にやって来る手はず。そりゃ緊張するに決まっている。1時間強の収録中、何度も時計を見た。針が進むにつれ、ああいよいよやって来るのだと何度も思った。待つことのドキドキ感を楽しみながら、取材時間を迎えた。  部屋に入ってきたØMIさんは、鏡の前の椅子に深々と座る。優雅な居住まいで、こちらの様子を伺っている。限られた時間を無駄にしてはいけない。筆者は練りに練った質問案をどんどん聞いた。ひとつひとつ、インタビュアーの言葉に耳をすませ、それを咀嚼して言葉を紡ぐ。その内容は、インタビュー本文でご一読いただいた通り。  取材日は、9月15日。締めくくりに、2010年の今日は、何を隠そう、ØMIさんが、「EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~」の最終審査を今市隆二さんとともに合格した日。それを本人に伝えると、「えっ!」と驚きの反応。そして一瞬、斜め上へ視線を滑らせる……。  取材の締めくくりとして、これほど、脊髄反射的で、さらにイルでドープな瞬間を筆者は他に知らない。音楽の世界でイルでドープと言うと、最大限のイケてる状態を表現できる。それを音楽的にも人間的にも全身で体現するØMIという存在が、そんな記念日の奇縁によって今回の取材日に、筆者を呼び込んでくれた、と思うのはあまりに贅沢なことだろうか?  取材部屋をあとにしようとしたØMIさんが、ふと筆者の口元をみて、「マスクありがとうございます」とも。ソロツアー『ØMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』のグッズであるØMI印付きの黒いマスクをつけて取材に臨んでいたのだ。紳士的で、細やかな心遣いを感じた。こんなおまけ付きで、ØMIさんは、甘やかな余韻を残していった。

三拍子揃った超人的プロデュース力

『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』 ところで、普段なら今市隆二さんのようなR&Bシンガーのマチュアなトラックをヘビロしている筆者だが、今回ばかりは、ØMIさんが音楽的なルーツとするEDMの重低音に身体がうずいた。  2次審査で、ガールズたちが思い思いに踊ったナンバー「Can You See The Light」やアフロジャックがサウンドプロデュースを手掛けたソロ1stシングル「WASTED LOVE」を取材準備中に、いったいどれだけヘビロテしたことか。そこには、こうしたダンスナンバーが夜更けのクラブフロア空間に轟いたら、どれほどノれるだろうかと、身勝手だけれど、切実な夢想が織り込まれてもいただろう。  ともかく、それだけ、リスナーの心を捉えて離さない求心力と中毒性があるのが、いかにもマジカルなシンガーの趣きだ。マジカルな閃きと言ってもいいかもしれないが、この閃きは、どちらかというと、ジャズのグルーヴ感に身を委ねる瞬間に似ている。なるほど、取材部屋で、どしっと構えていたØMIさんの余裕を感じる居住まいは、EDMではなく、どこかジャズ的に成熟したものだった。  取材者に紳士的な対応をする人間性、ドームでファンを熱狂させるカリスマ性、そしてガールズグループを編成するために骨を砕くプロデュース力。ここまで三拍子揃ってしまっては、超人と呼ぶほかないではないか! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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