夫の暴力で心を病んでしまった45歳女性。それでも「絶対に離婚できない」理由とは
かつて“ヒモ”だった男を養うように結婚した、45歳の女性・ルカさん(仮名)。しかし結婚して子どもを授かり、やがて夫婦の収入が逆転すると、夫のDVが始まった。苦しみから逃れるように、ルカさんはアルコールへ依存していく……。
前回に引き続き、彼女に聞いた「地獄のような結婚生活」の詳細をお届けする。
【第1回】⇒低収入の“ヒモ男”と結婚。彼が収入UPしたら…恩返しじゃなく暴力が始まった
夫のDVは、いつも突然だった。そして理由がなかった。ただわめいて騒いで、自分以外の世界を否定することで、自分の存在意義を感じているように見えた。「ちいさい子供が地団太(じだんだ)を踏んで暴れているのと似た様子が、何百倍もひどくなった状態」に見えたそうだ。
「彼、仕事が順調になってからというもの、よく仲間と飲みに出かけるようになったんです。深夜にベッドで寝ていると、帰宅した夫から叩き起こされて殴られ蹴られる……。ふんづけられてあざだらけになったこともある。
いつも理由は、“なんであんなスポンジを買ってきたんだ”と、台所の食器用スポンジへの不満や、“洗濯物の干し方が違う”という他愛ないことでした。しかも、どれもこれも、つきあいはじめてからずっとそうだったことを突然怒り出すから、わけがわからない……。スポンジはダイソーで数個セットのもの、洗濯したら私はよくハンガーに干していました。が、どちらもダメだと怒り狂ってDVです」
「反論すると、ますます暴力的になり、娘の目の前で首を絞められて息が苦しくて声が出なかったこともある。そんな時はさすがに怖くて、3度ほど警察に来てもらったことがあります」
警察は、軽い怪我をさせたくらいの人を逮捕できないと言っていたそうだ。ただ、暴力の記録作成と、痣(あざ)の写真の撮影はしてくれた。なので、その資料をもとにルカさんが訴訟を起こすことや、離婚時に有利な交渉をしていくことも可能だそうだ。