そうか、と旦那さんは残念そうに答えましたが、問題は奥さんのほうでした。
「
せっかく用意したのに。じゃあ、ブロックは持って帰る? この間、足りないと言っていたでしょう」と袋を漁ると、「これ、まだ使えるから」と子どもの落書きがされた一つをつまみ上げました。
薄汚れたブロックは、「触るのも嫌でした」と美恵さんは振り返ります。

「ああ、それもこの間新しいのを買ったから」とすぐに答え、この話は切り上げようとしたそうです。
「せっかく用意したのにって、どう考えても不用品を押し付けているようにしか見えなかったですね。本当にあげるつもりなら、そもそもゴミ袋なんかに入れないと思って。掃除の途中に渡すことを思いついて、そのまま処分しようとしたのでしょうね」
まだ何か言いたそうな奥さんを無視して、美恵さんは手土産をテーブルに置くと電話がかかってきたフリをしていったんリビングを出て、戻ると「
急用ができた」と言い訳してすぐに家を出ます。
「このままリビングにいれば、押しの強いふたりに言い負かされる」と思った美恵さんは、とにかくその場を離れることで精一杯だったといいます。