夫が原因で妻が体調不良になる“夫源病”。腹痛、めまい、発疹…ナゾの不調の正体とは
夫が原因で妻が体調不良に陥る“夫源病”。SNSでは夫への愚痴と共にハッシュタグが飛び交う。これといったきっかけがないのに、放っておくと離婚にもなりかねない原因不明の病を追った。
夫がそばにいるだけで、体調が悪くなる……そう訴える妻たちがいる。
単に不仲というわけではない。正式な病名ではないが“夫源病”という言葉がある。’11年、大学教授で心療内科医の石蔵文信医師が更年期外来の診察を通じて、類似の症例が多いことに気づき命名。
その後、芸能人が夫源病であると公言したり、ドラマの設定にも使われたり、徐々に広がっている。SNSでも〈モラ夫が帰ってくると腹が痛くなる〉〈旦那の近くにいると動悸が激しくなる〉など関連の投稿が賑わう。
一体、夫源病とはどのような病なのか? 精神科医の春日武彦氏はこう解説する。
「更年期障害と混同されることもあるが、更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れで、夫源病はストレスが原因です。夫源病は自律神経失調症と似ており、腹痛、頭痛、不眠などさまざまな症状が出ます。
それも、夫が浮気しているなどはっきりとわかるストレスというよりは、掴みどころのない曖昧なストレスがいくつも積もったもの。その分、対策が立てづらい。必ずしも夫だけが悪いわけではないと頭でわかっているのに、夫が近くにいると体調を崩す妻たち。言いようのない不安に名前がついたので、しっくりきた人も多いのでしょう」