もはやイチジク狩りどころではなくなった松井さん。
「かゆさやひりつきもありましたが、何よりも彼に見られたくなくて必死でした。でも隠しきれないほどひどくなって、彼にはすぐにばれてしまいました。
せっかく今まで可愛く着飾ってきたのに、台無しだし恥ずかしいしで泣きたい気持ちでした」

彼は大慌てで水場まで連れて行ってくれたり、氷をもらってきてくれたりと
とても献身的に松井さんを介抱してくれました。
その甲斐もあり、イチジク狩りは中断になったものの徐々に口周りの赤みも治っていきひと安心。
松井さんは後で知ったのですが、イチジクの枝を切った時に出る白い樹液が皮膚や粘膜に触れると、かぶれの原因になりやすいのだそう。
「弱っている姿を初めて見て、守りたいと思った」と彼
「今回のイチジク狩りは災難だったけど、災難があったからこそ彼の優しさに触れることができました。献身的に助けようとしてくれて、
かっこいいだけじゃない魅力を知ることができたのでもっと好きになりました」
災難にあったことのメリットはそれだけではなかったようです。
「とは言えその後、恥ずかしい顔を見られてとても落ち込んでいたのですが、彼が『
弱っている姿を初めて見て、守りたいと思ったし、農園であんなに無邪気にはしゃぐ君を見れたことも新鮮で良かった』と言ってくれたんです! 嬉しすぎました」
それ以降、松井さんは彼にありのままの姿を見せるようになり、二人の仲はさらに深まったそう。そして毎年一緒に思い出のイチジク農園に足を運んでいるのだとか。
まさかの災難な出来事がプラスに転じることもあるのですね。
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<文/萩ゆう イラスト/カツオ>
萩ゆう
住むところは中国地方や関西など、全国各地を転々と暮らすWebライター。温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソン3時間ギリの記録をもつ。