
──ちゃんとした生活の先に、表現があるということですか。
松本:そう。生活をちゃんとしたいんです。生活や仕事がままならない仕方は、もうしたくない。「アウトプットするばかりではなく、インプットする時間が欲しい」という気持ちが強くあります。
周りは速いスピードで進んでいくけど、私は自分のテンポで歩みたい。それができたら、忙しくなったときにも自分を見失わずに済むと思いますし。余裕と余白を持つことで感性が生まれると気づけて、今は自分の人生を自分でコントロールしたいと思っています。

──早回しの時代に、ご自身のペースを貫くことは非常に重要。先ほどの「感性は余白から生まれる」にもつながりますね。
松本:若いときの感性ってやっぱり素晴らしいけれど、それは落ちるものじゃなくて、努力で磨いていけるものだと私は信じています。だからもっともっと感性を研ぎ澄ませていきたい。
それに、感性こそ真実だと思うんです。損得勘定や「こっちがいいから」と頭で考えたことじゃなくて、心の底から感性が叫んでいることが、正解であり真実かなと。それに沿って生きることが、自分が一番幸せを感じる生き方なんじゃないかなと思っています。
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【MARIKA MATSUMOTO】
’84年、東京都生まれ。’18年、ドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日)で演じた「あざとかわいい」キャラクターでブレイクを果たす。’22年は映画『妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-』『ぜんぶ、ボクのせい』『夜、鳥たちが啼く』と話題作への出演が続く

取材・文/SYO 撮影/北岡稔章 構成/村田孔明(本誌) スタイリスト/中野ゆりか ヘアメイク/桑野泰成