――どのような企業が災害用レディースキットに関心を示していますか?
鈴木:私たちは中小企業を中心に販売し、すでに26社ほどに納品させていただいています。なかでも、女性活躍推進やダイバーシティ推進に取り組んでいる企業が多い印象です。
何となく女性用防災グッズはあったほうがいいことはわかっていても、生理の話をするのには抵抗があるといったことから、具体的な問題点や現状がわからないという声を多く聞きます。そういったときに商品があることで話しやすくなるのは、導入していただいている企業さんから好評をいただいている点です。
――商品を介して、普段話せないような話題を話しやすくする雰囲気ができるのですね。
鈴木:そうですね。なので出張展示会もおこない、商品の使い方などを説明をしています。会社で生理について話せない人は多数いらっしゃるので、第三者が入ることで、女性の健康課題を男性にも理解してもらいながら、女性が働きやすい環境をその企業なりに考えるきっかけになると考えています。
――関心のない層に届けることは難しいように感じますが、どのようにアプローチしているのでしょうか?
鈴木:商品を広めるために営業に行くことがあるのですが、興味がないからといって断られるケースはたしかに多いです。ですが、一度断られたからといって永遠に関心を示さないわけでもないと思うので、伝え続けることは大事なのではないでしょうか。
今は人材不足も叫ばれているので、女性が働き続けることは企業にとっての緊急課題でもあります。なので、いつか伝わるだろうと長い目でみて、発信し続けることを意識しています。
――日本のフェムテック市場は拡大していると思いますか?
鈴木:徐々にフェムテック市場が海外から日本に流れてきているので、今後拡大するのではないでしょうか。とはいえ、現状日本のフェムテック市場は十分に拡大していないのも事実なので、女性が表で性について話すことへのハードルが下がるまでには、時間がかかりそうだとは感じています。
――企業としても、フェムテックでビジネスをおこなうことは難しいと感じていますか?
鈴木:そうですね。オカモトヤがFellneの事業を立ち上げられたのは、母体となる事業があるからこそだと思います。なので、フェムテック単体で注目してもらうことは難しいかもしれません。ですが、このように記事に取り上げてもらったりすることで、より多くの人に広まり、結果ビジネスにもいい影響が出ていくと思いますね。
――Fellneとして今後どのような活動をおこなっていきたいと考えていますか?
鈴木:災害用レディースキットは、3種類あれば用途に合わせて選択していただけると思いますが、今後もお客様の要望があれば、それに応じて少しずつ改善していきたいです。
Fellneとしては、女性活躍を推進していきたいというお客様に対して、オールジェンダートイレを提案しています。今後も継続してこのような活動に取り組んでいきたいです。また、出張展示会や研修を通して、女性の健康課題を共有するサービスも展開していきたいと考えています。
<取材・文/Honoka Yamasaki>