
ミュージカルには「歌」「芝居」「ダンス」が欠かせません。ミュージカル俳優として培った技術がエンターテインメントの枠を超えた現在の活動に繋がっているといいます。
「インタビューとかでよく『どうしたらミュージカルで活躍できますか?』って聞かれるんですけど、最初に思い浮かぶのは、運が良かっただけ。本当にそう思っています。ただ、それだけじゃなくて、歌とお芝居とダンスができなきゃいけない。この3つは急にできるようになるものじゃなくてトレーニングが必要だから。
自分の場合は子どものころから毎日レッスンをやっていて、練習をしなかった日はなかったんです。ピアノを始めてからは、学校にこもって何時間も毎日練習していたから、やっぱりそういう技術を磨く時間を持たないとミュージカルはできません。
だから、ミュージカル俳優はアスリートのようにストイックな人が多いですね。でも、その3つをちゃんと練習しておいたことで、僕の場合は今、ミュージカルの歌の部分だけで歌手としてコンサートをやらせてもらったり、芝居のところだけでドラマに出たり、いろんなジャンルの仕事にチャレンジできてる。なので、ミュージカルを目指すことで、エンターテインメントのいろんなジャンルで輝ける可能性が開かれると思うんです。
あと、人生の経験がお芝居に滲み出てくると思うのでミュージカル俳優になるなら経験豊富なほうがいいですよね。役者って『なんでこの人はこうなったのか』って深いところから掘り下げていくので、人間観察をするとか、想像力を膨らませていく作業も大事なんです」

歌がうまい人に共通する特徴は「耳のよさ」なんだとか。歌に限らず、「耳の良さ」はものまねや語学学習の場面でも活躍したそうです。
「歌がうまい人は、基本的に耳がいいですよね。だから、モノマネもできるかもしれない。僕も人の声質が気になるタイプなので、自分で上手だと思ってるわけじゃないけど、河村隆一さんとミュージカルで共演したときに聴いていた歌い方は100回以上モノマネしてる。あとは、歌じゃないですけど、えなり(かずき)さん。ビートたけしさんもできますよ。高校のときの社会の先生のマネとかも。高校時代の友達は爆笑しますよ。
KARAの知英ちゃんもものすごく耳がいいんですよ。彼女は韓国語、日本語、中国語、英語を話すんですけど、耳から覚えていったんだって。耳がいい人って歌もうまいし、外国語を覚えるのも早いと思う。
僕も英語を覚えるとき、勉強しても全然入らなかったから、音から入りました。友達が『What are you doing now?』って言ったときに『タタタタンタンタン』って聞こえるんですよ。だからそれを音として覚えてました。耳で覚えてたから、しゃべれるけど文字では書けないってことがよくあったけど、耳がいい人は外国語を自分のものにするのも早い気がします」