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「男の子はクッキーさん、女の子はタルトさんと呼びます」…ズレたジェンダー教育、どう対応する? 専門家に聞いた #令和の子 #令和の親

教育者だけでなく、保護者も一緒に考えていくことが必要

 田中さんは、ジェンダー教育の現場が混乱する背景について「まず、教育現場の負荷が高すぎるという課題があります」と解説します。 ジェンダー教育の難しさ「現在はSDGs、ジェンダー平等の達成についてだけでなく、英語教育や情報教育など様々な教育をしなければなりません。教育現場が過度に期待されすぎ、近年の新しい問題はすべて学校で教えることになっています。それを、ジェンダー教育を受けてこなかった教諭が試行錯誤しながら行うのは、厳しい状況なのでしょう。  子どもたちにきちんと教えられるようになるためには、教育者たちもリスキリング(学び直し)が必要になりますが、それは保護者側も同じです。一緒に考えていく問題だと思います」(田中さん)

ケース2:男の子を「クッキーさん」、女の子を「タルトさん」

 前述の幼稚園では、取り組みの一環として、男の子・女の子という呼び方を使わず、代わりに男の子を「クッキーさん」、女の子を「タルトさん」と言うようにしたそうです(※園の特定を避けるために呼称は変えてあります)。  後に、ある保護者が参観日の際にその呼称が使用されている光景を目の当たりにしますが、集合をかける際に「クッキーさんおいで」というと男の子が集まり、「タルトさんおいで」というと女の子が集まってくるという、単純に呼び名を変えただけの状態だったようです。  ただ、保護者自身も理解が足りていないのも事実。件の保護者会では、どの保護者からも反論や異論がなかったといいます。教育方針に沿って教諭が決めたことなら深い意味があるのでは、とその場では納得してしまっているのでしょう。しかし、教諭側が不勉強なことは「ジェンダーの人」発言に十分現れています。
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子どもを新宿二丁目に連れて来た親の意図は
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