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「男の子はクッキーさん、女の子はタルトさんと呼びます」…ズレたジェンダー教育、どう対応する? 専門家に聞いた #令和の子 #令和の親

選択肢を提示するのはOK、親が先回りしすぎないように

 ジェンダー(社会的性差)の意識がまだ定まっていない子も多い幼児期は、今後の価値観や人格を形成するうえで大事な時期でもあります。小さな子どもたちには、どう話していけばよいのでしょうか。 ジェンダー教育の難しさ「先ほどのケースは子どもに色を強制するのがいけないわけで、ピンクが好きな子どもに対し『青も素敵だよ』と選択肢を提示するのは悪いことではありません。男児がピンクを選ぶことに対し、いじめられる心配をする親の声も聞きますが、仮に最初は違和感でからかわれたとしても、多くの場合は見慣れるものです。  例えば、女児が特撮ヒーローを好きな場合も同様の心配をするかもしれませんが、そのような子ども同士の諍(いさか)いを無限に回避するのは不可能です。親が先回りしすぎることで、子どもの成長過程を阻止してしまわないようにしましょう」(田中さん)  そして前述の新宿二丁目に同行させたケースに関して、田中さんは「親のエゴに感じる」とのこと。   「どんな教育においても発達段階に応じていくべきです。もちろんそれ自体は僕も問題だと考えていますが、現状は残念ながら男女の二分法に基づいて社会が回っています。幼い子どもは周囲の大人やメディアから、“常識”としてそれを学んでしまっています。まずは家庭内で子どもに合わせた内容で話題にするなど、段階を踏んで教えていくことが大事です」(同)

大切なのは「なぜジェンダー教育をするのか」を意識すること

 旧来の価値観と新しい価値観が混在する現在は転換期。混乱してしまうのは当然の現象です。先日も、公共施設や新宿歌舞伎町タワーにジェンダーレストイレが設置され賛否がありました。ただ、その政策や対策がたとえズレていたとしても、議論があることで注目が集まり、多くの人がジェンダーについて考えるきっかけを与えられたことは事実です。 ジェンダー教育の難しさ その際に必要なのが「共通の認識を持つこと」だと田中さんは言います。 「表面的な部分を見るだけでなく、何のためにやっているのかという根底を意識することです。男女の格差をなくすジェンダー平等の達成と、性別にとらわれない多様な生き方の実現という2大目標。これらをしっかり考えていくことが大切です」  受身の姿勢でいるだけでなく、積極的に書籍などで情報収集し、意識をアップデートしていきたいものです。 ※この記事は女子SPA!とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。 <取材・文/小政りょう、女子SPA!編集部>
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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