NHK『らんまん』主演・神木隆之介を輝かせる「爽やかな風のような相棒」の存在感
NHK今期の連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合、毎週月曜〜土曜日あさ8時放送)では、主人公の神木隆之介にも増して、相棒役の志尊淳が、とにかく素晴らしい。
志尊の演技は、爽やかな風を送り込んでくる。と同時に力強さもじんじん伝わる。若手俳優が乱立する中、こうした才能が、稀有な存在感を発揮させている。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、本作で一糸乱れぬ志尊淳の輝きをつぶさに拾い上げてみたい。
『先輩と彼女』(2015年)で、教室の窓際に佇んで、物憂げな表情を浮かべる姿を見て、筆者は一発で惚れ込んだ。『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)の脚本家として知られる池田千尋監督が、少女漫画原作の同作で捉える志尊淳の突出した存在感は、ほとんど奇跡に近かった。
なんて特別な才能なんだろう。一見、華奢な見た目(でも肩幅はある)なのに、その実、演技の線が太く、力強い。誰がどう見ても、押しも押されもせぬ人気俳優。出演作は数多く、特にNHK作品での名演には、目を見張るものがある。
トランスジェンダー女性を演じた『女子的生活』(NHK総合、2016年)では、自由を謳歌し、理知的で自立したあでやかさを体現した。
あるいは、巨匠・青山真治監督が演出を担当した特集ドラマ『金魚姫』(NHK BSプレミアム、2020年)では、うだつが上がらない主人公の生活感ある姿が素晴らしく、冒頭から、上下スウェット姿に俳優としてのポテンシャルを込めた。
今期の朝ドラ『らんまん』でも、主演の神木隆之介に堂々と肩を並べる好演が、随所で光る。本作では、初週から2週にわたって、主人公・槙野万太郎の少年時代が描かれ、子役の熱演が見もの。そこから青年期に一瞬で様変わりし、子役から神木へと鮮やかにバトンタッチする。
神木による早変わりの瞬間もいいが、同じように志尊の初登場も負けてはいない。第2週第10回のラスト、神社の裏にいた万太郎の元へ、お目付け役の井上竹雄(志尊淳)が走ってやってくる。その瞬間の志尊の表情は、爽やかな風そのもの。
竹雄は、若き主である万太郎を献身的に支えている。「若~」と言って、万太郎の後ろで付き従って町中を走る姿のなんと楽しげなこと。竹雄の快活さを演じるには、十分すぎるくらい志尊のエネルギーが溢れる。
NHK作品での名演
エネルギーが溢れる初登場場面
今期の朝ドラ『らんまん』でも、主演の神木隆之介に堂々と肩を並べる好演が、随所で光る。本作では、初週から2週にわたって、主人公・槙野万太郎の少年時代が描かれ、子役の熱演が見もの。そこから青年期に一瞬で様変わりし、子役から神木へと鮮やかにバトンタッチする。
神木による早変わりの瞬間もいいが、同じように志尊の初登場も負けてはいない。第2週第10回のラスト、神社の裏にいた万太郎の元へ、お目付け役の井上竹雄(志尊淳)が走ってやってくる。その瞬間の志尊の表情は、爽やかな風そのもの。
竹雄は、若き主である万太郎を献身的に支えている。「若~」と言って、万太郎の後ろで付き従って町中を走る姿のなんと楽しげなこと。竹雄の快活さを演じるには、十分すぎるくらい志尊のエネルギーが溢れる。




