弱い存在に手を差し伸べてほしい。自分だって弱いから
――最後に、変わっていく自分をどう思っていますか?

たにゃ君、ずっと幸せでいてね
たにゃパパ:たにゃと出会ってから、これまで出会えなかった人たちに出会えて、想像もしなかったことが起こって。今まで見えてなかった道が見えきて、僕も変わってきました。やりたいこともたくさん出てきて、ワクワクしています。
歌舞伎町って「弱い人間が集まっている街」だと僕は思います。弱いからこそ虚勢をはらないと生きていけない。これまでの僕もそうだったと思います。でも僕は、寄り添い、支え合える存在に出会えた。たにゃが僕の弱さを知って、認めてくれた。もう虚勢をはって生きる必要がなくなりました。弱いことを恥ずかしいと思わなくなりました。
人間も動物も、食べていくこと、生きていくことは大変です。雨が降ったら、軒下で震えている猫がいるかもしれない。何日もお腹を空かせている猫がいるかもしれない。たにゃと僕の物語を知ってくれたなら、そんな野良猫たちにも思いを馳せてほしいんです。弱い存在に手を差し伸べてくれたらうれしい。たにゃと出会って、僕は自分でも知らなかった自分に出会えました。世界がもっと優しくなるとうれしいです。
たにゃパパ:じつは、僕はいずれたにゃと一緒に歌舞伎町を卒業しようと思っています。どこか田舎のほうに古民家を買って、そこでラーメン屋さんかおそば屋さんを開こうかなぁ、って。元の生活に戻ろうとあらがうよりも、のんびりたにゃと暮らしたい。それが僕の今の気持ちです。
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フォトエッセイ『
歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕』を見ると、弱い存在に手を差し伸べることは、実は、自分が救われることなんだ……と気づきます。たにゃ君、大切なことを教えてくれてありがとう。
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<文/女子SPA!編集部 写真/『
歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕』より>