「子どもの頃に読んだ少女漫画のタイトルが知りたい!」自分で再現漫画を制作してみたら
しかし、AK壱乃さんが描いた再現漫画の登場人物たちは、何故か全員料理器具。そのアイディアはどこから?
「メインの登場人物が全員死ぬ内容のため、人間で描くとセンシティブ画像になってしまい、かといって代わりにネコちゃんなどで描くとネコちゃんが酷い目に遭ってしまうので絶対駄目だと思いました。
魚…もダメだ…虫も懸命に生きている…となるべく誰も傷付かないよう考えた結果が調理器具です。描くのが簡単なのはとても良かったですが、意図せず面白くなってしまったような気がしています」

「調理器具好きの方には申し訳なく思っています」と言うAK壱乃さん。優しい!
可愛い鍋とそのフタがシリアスな漫画の内容を伝えるというギャップが魅力となり、ツイートは2500回以上リツイートされ、多くの情報が寄せられました。
そして、その読み切り漫画が掲載されている雑誌(1999年発行『少女コミック増刊号』)を、今も所有しているという方からのリプライが!
該当漫画のタイトルは、堀田敦子先生の『永遠の約束』と判明しました。
「漫画を特定できた時は、ものすごくびっくりしました。実在した! 掲載雑誌を今も持ってる方がいらした! そんな方が奇跡的にこのツイートを見かけてわざわざ手元の雑誌を確認してお声がけ下さった! と感激でした」
そして、大量のリプライに丁寧に返信していくAK壱乃さん。大変だったのでは…。
「見ず知らずの私の探し物にお知恵を貸してくださる方々のご厚意に感謝するばかりで、全く大変ではありませんでした。『私が◯歳の時に読んだ覚えがあるので●●年発行の雑誌だと思います。フォロワーさんに年齢がバレるのでリプライではなくDMします』とご丁寧にDMを下さった方までいらっしゃってお気持ちが嬉しかったです」
しかし、残念ながら『永遠の約束』は単行本化されていないとのこと。また、24年前の掲載雑誌は中古市場にも出回っておらず、まだ実際の漫画は入手はできていないそうです。
「ただ今の私は『1999年2月号の少女コミック増刊号』と知っておりますので『このまま見つけられなくても国立図書館に行けば絶対に読める!』という安心感に包まれています。読んだら堀田敦子先生宛に編集部へファンレターを出したいです」
「教えて下さった方だけでなく、DM、リプライ、リツイートして下さった方にも感謝の気持ちでいっぱいです」というAK壱乃さん。いつか漫画の実物を手に取れる日が来るといいですね。
ツイッター発のほっこりニュースでした。
<取材・文/藍川じゅん>



