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恋愛依存の「メンヘラ」女性マンガ、意外に集まる共感の声。描く理由を作者に聞いた<漫画>

とくに可愛い/かっこよいわけではない、普通の人たちに興味

――ツイッターで「その辺にいそうな、ごく普通の女の子が描きたい」とおっしゃられていました。キャラクターを美化しないのが我妻さんの作品の特徴ですが、そのような作風になったのはいつからでしょうか? 我妻:割と最初からそういう感じで描いていました。でもあえて美しくない人や可愛くない人を描こうとしてたってわけじゃなくて、私の中でその方がリアリティがあるから描いていて。「女の子があんまり可愛くない」っていう意見があったりするけど、自分の中ではしっくりくる。普通の人たちに興味があるんでしょうね。 こういう恋愛の話を描いてると、男の人もかっこよく描かなきゃみたいのがあるんですけど、ちょっと苦手で。漫画とか読んでても「そんな都合のいいことにはならんやろ」って思ったり笑 ――男性キャラたちが非常に「いそう」な感じでリアルですね。実際にモデルはいるのでしょうか。 我妻:実体験もありつつという感じです(笑)。こういう人いるよねと思ってもらえると嬉しいです。

認知が歪んでしまってる人たちの中で、客観視点のハシモト君

『パコちゃん』我妻ひかり

「 ハシモト先輩 」

――ハシモト先輩は、読者が円に対してモヤモヤしていた気持ちを全部言ってくれましたね。「男と寝ることでしか心の穴を埋めることができないのに、男の文句ばっかり言ってる生きるのが下手な女」と言ったシーンで、「クソ女」ではなく「生きるのが下手な女」と表現したのが、すごく優しいと思いました。 我妻:ありがとうございます。ハシモト君お気に入りなんです。認知が歪(ゆが)んでしまってる人たちの中でずっと物語が展開していたから、客観的というか、違う視点からの意見も必要かなと思って登場させました。 最初はあんなにいい感じの人になると思ってなくて。ちょい役くらいで出そうと思ってたんですけど、ネームやってみたら彼が結構しゃべってくる感じだったんで、いいやこのまま使っちゃえって。 ――西さんは、誕生日プレゼントはプリン一個だし、コーヒー代をパコちゃんに払わせるしひどいですよね! 我妻:カスですよね(笑)
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漫画を買ったらダメな家だったが…
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