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恋愛依存の「メンヘラ」女性マンガ、意外に集まる共感の声。描く理由を作者に聞いた<漫画>

漫画を買ったらダメな家だったが…

――漫画家になったきっかけは? 我妻:もともと物語を作ったり絵を描いたりするのが好きで、幼少期は自分で絵本を作ったり、小学校くらいまでノートに鉛筆で漫画描いたりしてました。けど、家庭の教育方針で、漫画を買ったらダメな家だったんです。漫画よりも本を読んでほしかったみたいで、誕生日もクリスマスもプレゼントは全部お父さんチョイスの本でした。 ――ご自身のwebサイトで公開中の短篇で、毎年本をもらっていた主人公がヤギをねだるお話(『冬の思い出。』)がありましたが、実話なんですね。 我妻:はい。ヤギのぬいぐるみはもらえました(笑)。自然と漫画から離れていっちゃって、学生時代は全然違うことをしてました。大学卒業したくらいの時に、父の書斎の蔵書整理を手伝っていたら、父が若い頃読んでた漫画がいろいろ出てきて。それを読むようになって、漫画熱が再燃しました。つげ義春さんとか手塚治虫さんとか。林静一さんの『赤色エレジー』は衝撃でした。 また漫画っていいなと思うようになって。NHKで浦沢直樹さんの「漫勉」というドキュメンタリー番組を見て、自分もやっぱり描いてみたいってと思うようになりました。
林 静一『赤色エレジー』幻冬舎

林 静一『赤色エレジー』幻冬舎

「山本直樹さんに似てる」と漫画を描き始めてから言われて

――漫画の新人賞に応募はされたんですか? 我妻:はい。せっかく描いたし入選するしないは別として講評が欲しいなと思って、落選しても講評がもらえるところに出しました。そしたらたまたま担当がついて…という感じです。 ――影響をうけた漫画家は? 我妻:漫画描き始めてから「山本直樹さんに作風が似てる」って知り合いに言われて、でもその時点で全然読んだことがなくて。その時点から山本直樹さんの作品をいろいろ読んでみたらハマってしまって。 私まだ絵が下手なのにこんなこと言うの恥ずかしいんですけど、線が細い感じとか真似したいなって思ってます。なかなか難しいですけど。
山本直樹『世界最後の日々』 (CUE COMICS) イースト・プレス

山本直樹『世界最後の日々』 (CUE COMICS) イースト・プレス

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