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「信仰しないからガンになったのよ!」母が診断されてすぐ新興宗教信者の親戚がやってきた。一変した家族の生活とは

最初に「まずはこれがなくては、話にならない」とおばさん経由で買わされたのが、仏壇だ。 「それがまた重厚な存在感ある仏壇で。小さいサイズも存在しているようですが、おばさんなりに気合いが入ってたんですかねえ。ウチにはもともと、祖母の位牌などが置いてある一般的な仏壇があったので、えっコレどこに置くの! というごく単純な驚きが真っ先に来ましたね」

「子どもは巻き込むな!」

「決して広くない家に仏壇がふたつ……。父は『それで母の気が休まるなら』、と言って見守る姿勢でしたが、私たちきょうだいとしては”ずいぶん場所をとるお守りだよなあ”……と困惑しつづけました」 がん母闘病沼202308そしてはじまる、母の信者生活。 幸いにも、佳子さんの父が「子どもたちは絶対に巻き込むな」と防波堤になってくれたので、佳子さんきょうだいが母の信仰に付き合わされることはなかった。 しかし、家庭内の様子は着実に変わっていく。

ネグレクト化していく母

「朝と晩、仏壇に向かって拝むのが母の日課となりました。口に出してお題目を唱えるので、いやでも耳に入ります。父は入信していませんでしたが、母が喜ぶからと、おばさんに誘われる信者の集いには付き添いとして足繁く通っていましたね」 佳子さんは次第に家に友だちを呼びにくくなり、治療と信仰活動で親が不在がちな家にもなった。かと思えば、信者仲間がお茶会的に集っている日もある。 がん母闘病沼202308佳子さんきょうだいの日ごろの食事は、レトルトと冷凍食品を多用するようになる。カレーやパスタなど簡単な料理は自分でできるようになるが、弁当が必要になったら自分でコンビニで調達したものを詰め替える、というライフハックを覚えたのもこのころだ。 肝心のがんは信仰によって消えるわけではなく、手術と抗がん剤治療を行った。その際もおばさんは信心を持ち出し『大先生がついていてくださるから大丈夫! 手術は大成功よ!』と、なぜか自信満々だったという。 信じるものは救われる、というヤツだろうか。
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しかし、がんが再発してしまう。
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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