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「信仰しないからガンになったのよ!」母が診断されてすぐ新興宗教信者の親戚がやってきた。一変した家族の生活とは

しかし当然ながら、世の中そう都合よくはいかない。 手術から5年後、母のがんは転移し再発した。佳子さんが22歳のときだ。 こうした経緯はまったくめずらしくない話であり、当然信仰とは関係ない。ところが信仰があるから大丈夫! と言っていたおばさんは引っ込みがつかなくなったのか、さらにキツい言葉を病身の母に投げかけてくる。 がん母闘病沼202308「『信仰が足りなかった』『お題目じゃなくて医療に頼るから……』とブツブツ言っていましたね。母はもともと気が弱い人だったので、その仏壇を拝みながら、いつ再発するかと怯える毎日を過ごしていました。それでこの結果だから、本当にかわいそうで」

信仰が悪いわけじゃないけれど

「私たち家族も、信仰でがんが治るとは一ミリも思っていませんでしたので、再発に関しておばさんや宗教団体に恨みはありませんけど、心が弱っている人を脅すようなおばさんの物言いはさすがにどうかと思いましたね」 そして次に、別の沼が待っていた。大病を患うと多くの人が遭遇するであろう、健康食品である。 がん母闘病沼202308「ある日、テーブルの上に置いてあったんですよ。明日葉で奇跡が起こった! みたいなタイトルの本が。あーこっちに堕ちたか……と思った瞬間でした」

健康食品に散財する母

「それからです、サルノコシカケにキトサン。1回何万円もする、酵素風呂のチケット。仏壇にホコリが積もるのと比例して、謎の健康食品が家のなかにあふれていきました」 がん母闘病沼202308佳子さんの目には、「私の友人が、これで治ったのよ……!」と耳元でささやかれて母が財布のひもを解く光景がうかぶ。 「母はもともと、民間療法や健康食品にまったく興味のない人でした。オカルト系の不思議な話も、鼻で笑い飛ばすタイプ。でも、噂や口コミに弱いところもあったのかもしれません」
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子どもたちにも健康食品を押し付け
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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