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懸賞生活を耐え抜いたなすび「『電波少年』の辛い経験があったから…」エベレストに挑み続け4回目で登頂成功、売名と叩かれても

3回目にはネパールの地震で雪崩におそわれ死にかけた

なすび――3回も挑戦して駄目だったら、普通なら諦めてしまいそうなものですが……。 「実は3回目の挑戦だった2015年には、ちょうどネパールで地震災害に遭って死にかけたんです。僕の目の前まで雪崩(なだれ)が襲ってきて、まさに間一髪(かんいっぱつ)で助かることができました。東日本大震災の復興を応援するために行ったのに、まさかこんなことが起きるとは夢にも思いませんでしたよ」 ――そんな壮絶な経験をしていたんですね。 「三度目の正直と思って向かったはずが、二度あることは三度あるだった(笑)もうエベレストに拒否されてるのかとも思いました」 ――それでも4度目にも挑んだのは、何か理由があったのでしょうか。 「『みちのく潮風トレイル』という、青森県八戸市から福島の相馬市の沿岸部を繋ぐ、歩く旅を楽しむためのルートをつくるプロジェクトに協力したことがきっかけです。2015年末から2016年の年明けまで、約4ヶ月をかけて約1000キロを歩いたんですよ。 その時に歩いた青森や岩手、宮城などの福島以外の震災被災地の方たちからの『エベレストへの挑戦で元気と勇気をもらった』という声がたくさん届いたんです。SNSでは以前よりも応援されている手応えを感じてはいましたが、現地の人たちの直接の声を耳にできたことは有難かったですね」

自分のための登山だったら絶対に諦めている

――その結果、2016年についにエベレスト登頂に成功。さらに多くの人たちに感動を与えてくれました。 「3度の失敗でエベレストに拒否されていると思っていたけれど、実際はその逆で見えざる手に導かれたのかもしれません。同時に僕は生かされているのかもしれない、とも。この先どう生きるのかを問われたような気がしました。 登山って自己実現のためのものと言われていますけど、僕の場合は自分のための登山だったら絶対に諦めていると思うんですよ。でも、僕が山頂に立ったのは、あくまでもみなさんに元気を届けるという想いからなので。僕は自分のためより、世のため人のために何かする方が、実力を発揮できるんだと痛感しました」
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「懸賞生活」の辛い経験があったからこそ
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