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高校生の娘のバイト代も使い込むダメ父。「こいつはヤバい」と親を見つめた女性の壮絶人生を招いたものとは

庶民的な家庭の主婦がエルメスにハマったり、無理してママ友と生活水準を合わせていたら借金を背負うはめになったりと、いまでも「見栄」や「憧れ」で金銭感覚が狂う話は、消費社会に生きる人の世の常である。消費者のニーズにあわせて商品を売り込むという行為については、いまなら隙あらば画面に表示されるサジェスト広告なども似たようなものだろう。

宝石で指がギラギラ!

当然ながら訪問販売そのものが悪いわけではなく、店舗まで足を運べない人にとってはありがたいものだ。いまでもさまざまな理由で、ネットも買い物もできない人などに需要があるだろう。しかし珠江さん家に押しかけてくる訪問販売のそれは、度を超していた。 親子三代勧誘沼202310「宝石商も、我が家の常連でした。しかも、じいちゃんが泥酔してくる時間を狙ってちゃんとやってくるんですよ。買った宝石はばあちゃんや母じゃなく、じいちゃんが自分でつけるんですよね。両手に5~6個ギラギラダイヤの指輪はめて、地域でもそりゃもう目立っていました。 ついでに歯の詰め物は、金。ばあちゃんいわく、それも機能面ではなく、見栄だろうと。もし、屏風も金箔があるよ……と入れ知恵する人がいたら、それも手を出してたと思うわ」 かつてショッピングセンターなどでよく見られた調理器具の実演販売なども、珠江さんの家が会場にされていた。地域への貢献が期待される、地主の立場を利用されたと考えていいだろう。 「当然、近所の主婦たちが集まってきてね。そうして人が集まるとまたじいちゃんが『うぢさはほいずば、みなけろ(意味:うちにはそれを全部くれ)』と見栄を張って、買う。最悪です」

祖母がひとりで苦労を背負う

誰か止めないのか? と思うのだが、珠江さんの父親はギャンブル好きが高じて借金まみれになり、母親はそんな家族に愛想をつかし、家出してしまったという。だから祖母は家族の世話に加え、酔っぱらった祖父の後始末で忙しかった。 「あのポンコども!!」 祖母はいつも馬も祖父もひとまとめに罵っていた。当時珠江さんには何のことはわからなかったが、今回あらためて調べてみると「クソ野郎」というニュアンスの方言だったようだ。 親子三代勧誘沼202310「私は生活に必要なものを買ってもらえないとかごはんが足りないとか、目に見えて不自由な暮らしをしていたわけではありませんが、次々起こるトラブルに頭を悩ませている祖母があまりに大変そうで、いつもどこか遠慮していました。 祖母がぼやくし借金取りも来るしで、物があふれていてもうちにはお金がないのがわかる。だからクリスマスプレゼントのリクエストを聞かれても、卓上クリーナーとか実用品しか言えませんでしたね」
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父の姿を見て、娘は「こいつはもうヤバい」と思った
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