不妊治療ブログ主が帝王切開で産んだら「無理に産んだから」「障害は母親の責任」読者たちが手のひら返し
「すると次第に常連読者のような人たちも増えて、いつも熱心に応援のコメントを残してくれるようになりました。ブログランキングも、そこそこいっていましたね。自分の体験がこんなに喜んでもらえるんだ…って、すごくうれしかった。手ごたえも感じて、どっぷりハマっていきました」
ブログのコメント欄はこんな調子だ。
「マユさんのブログに、いつも励まされています! 私はこの前測ったAMH値(※)が低くてへこんでいるんですが……マユさんは検査されましたか?」(※卵巣に成長途中の卵子がどれだけあるかを示す値。“卵巣年齢がわかる検査”として知られている)
「我が家も不妊治療3年目。新車一台買えちゃうくらい突っ込んでます。でもマユさんはそのうえ闘病まであるんだから、本当に本当に大変ですよね。ご自愛くださいね。西日本からパワーを送ります!」
こんなコメントが次々と書き込まれる。コメント欄の常連は、同じく不妊治療をしている人が多かったようだ。お互いのブログにコメントを書き込みあうのも暗黙のお作法であるため、誰が更新したか、朝と夜にPCをチェックするのがルーティンとなった。そしていつしかひとつのコミュニティのようなものが、ネット上にできあがる。
ところが、コメント欄の風向きが変わってきた。それは真由子さんが妊娠し、喜びの報告を書きこむようになったころからだ。
「最初は、急にコメントが減ったんですよね。まあ、テーマが不妊治療と闘病ですから。つらい胸のうちを共感するのが目的という人が多かっただろうし、仕方のない反応ではあるんでしょう。でも、うれしい報告のときはザーッと潮がひくように人がいなくなり、悲しい報告のときは津波のごとく人が押し寄せる。みんな人の不幸が好きなんだなあ……と感じたのをよく覚えています」
そして出産後、“自然じゃない”攻撃がはじまった。
「神様がこの人は産むべきではないと病気にしたのに、不妊治療とかまでして無理に産んだから、子どもが障害持って生まれてきたんだよね。かわいそw」
コメント主は当然匿名。しかし真由子さんからは書き込んだ人のIPアドレスが見えるため、それが常連読者であることはすぐに判明した。
「子ども、ブサイクじゃね?」
「帝王切開って、やっぱり不自然なんだよね~。こわ」
「私は絶対無痛も帝王切開も嫌だわ。陣痛で子どものパワーを味わってこそ、真実のお産だって、偉い先生が言ってたわ。やっぱ楽するとツケがくる」
生まれた子どもは障害を持っていたが、真由子さんの子どもの場合は先天的なものであり、分娩時のトラブルなどが原因ではない(分娩時の事故が原因となる場合もある)。
ブログのコメント欄はこんな調子だ。
「マユさんのブログに、いつも励まされています! 私はこの前測ったAMH値(※)が低くてへこんでいるんですが……マユさんは検査されましたか?」(※卵巣に成長途中の卵子がどれだけあるかを示す値。“卵巣年齢がわかる検査”として知られている)
「我が家も不妊治療3年目。新車一台買えちゃうくらい突っ込んでます。でもマユさんはそのうえ闘病まであるんだから、本当に本当に大変ですよね。ご自愛くださいね。西日本からパワーを送ります!」
どれだけ共感し合っていても
すべては「自然じゃない」せい
コメント主は当然匿名。しかし真由子さんからは書き込んだ人のIPアドレスが見えるため、それが常連読者であることはすぐに判明した。
「子ども、ブサイクじゃね?」
「帝王切開って、やっぱり不自然なんだよね~。こわ」
「私は絶対無痛も帝王切開も嫌だわ。陣痛で子どものパワーを味わってこそ、真実のお産だって、偉い先生が言ってたわ。やっぱ楽するとツケがくる」
生まれた子どもは障害を持っていたが、真由子さんの子どもの場合は先天的なものであり、分娩時のトラブルなどが原因ではない(分娩時の事故が原因となる場合もある)。
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