マグカップをひとつでなく、4つも買えるような友達がゆくえにできたことで、鼓太郎はすこし複雑に思いながらも安心はした様子。ゆくえはさっそく購入したマグカップを椿の家に持っていく。 　誰がどの色を選ぶのか、ゆくえがあらかじめ想定していた通りに好きな色を手に取ってくれる。「おそろ」を得た彼らは、これでさらなる結束を固める。やはり彼らの関係性に「男女の間に友情は成立するのか？」問題を持ち出すのは、野暮なことなのだろうか？ 　第5話では、イラストレーターを目指す紅葉の葛藤を中心に、入り組んだ人間関係が描かれる。自分と一対一で向き合ってくれる相手がいないことで悩んできた紅葉が旧友と再会する。それがかえって苦悩を呼び起こすことになる。 　そんなとき、椿の家に自然と足が向いて、他の3人が心を温めてくれる。そして彼が子どものように相談するのがゆくえなのだ。彼女でなければならない。相手を静かに包み込むような多部未華子の演技が素晴らしいラストだった。 【Amazonで予約受付中！】⇒『いちばんすきな花　シナリオブック　完全版（上）』の詳細はこちら ＜文／加賀谷健＞