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結婚して会わなくなった男友達とバッタリ。別れ際の“一言”が切なくも最高|ドラマ『いちばんすきな花』

 期待の新鋭・生方美久による脚本を得て、まるで水を得た魚のように演技が躍動する。
木曜劇場『いちばんすきな花』5話より© フジテレビ

木曜劇場『いちばんすきな花』5話より© フジテレビ(以下同じ)

 毎週木曜日よる10時から放送されている『いちばんすきな花』(フジテレビ)の多部未華子は、ほんとうに素晴らしい。そして彼女の存在感が良質のサスペンスを導入する。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、多部未華子が最高だと感じる本作の再会場面について解説する。 【Amazonで予約受付中!】⇒『いちばんすきな花 シナリオブック 完全版(上)』の詳細はこちら

彼らだけの“共感サークル”

木曜劇場『いちばんすきな花』5話より© フジテレビ 潮ゆくえ(多部未華子)、春木椿(松下洸平)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)の4人が、見ず知らずの関係性からいきなりお互いを理解し、思いやる間柄になる。椿の家に集まっては、自分たちがいかに世間からズレているかを確かめ合う。  彼らなりの方法で、彼らだけの“共感サークル”が形作られている。この輪の均衡を保てるのか、保てないのかというところに、「男女の間に友情は成立するのか?」問題がテーマとして絡んでくる。  第5話冒頭を見ると、夜々と紅葉の会話場面から、このテーマに直面し始めていることがわかる。どうやら紅葉は幼馴染であるゆくえのことが好きらしく、夜々は椿のことが気になっているようなのだ。

サスペンスフルな再会

木曜劇場『いちばんすきな花』5話より© フジテレビ 冒頭場面後のオープニングタイトルで、藤井風による主題歌「花」のイントロ部分が意味深に響く。あの4人の関係性が静かに、ゆるやかに描かれるからこそ、このインパクトあるイントロには、なかなかゾクゾクする。  そしてちょうど物語が折り返そうとしている第5話。物語の次なる展開をより期待してしまう。事実、特に事件など起こらない日常の人間ドラマである本作に、すこしだけ波風が立ち始める。  それはまずゆくえから。彼女が雑貨屋で買い物をしていると、コップが陳列されたコーナーで赤田鼓太郎(仲野太賀)と再会するのだ。結婚相手からゆくえとの関係性を疑われた鼓太郎が一方的に友人関係を解消して以来だ。  鼓太郎は妻の白石峰子(田辺桃子)と一緒で、すこし気まずいゆくえは気付かないふりをする。ここまでの放送回では、おそらく一番サスペンスフルな瞬間だろう。
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多部未華子が最高だなと思う瞬間
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「男女の間に、友情は成立しますか?」フジテレビ系木曜10時ドラマに共感の声が続々! SNSで話題沸騰! いちばん「語りたくなるドラマ」のシナリオブック完全版。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠 主演!『silent』の村瀬健プロデューサー×脚本・生方美久が“クアトロ主演”という新しいスタイルで描く、年齢も性別も過ごした環境も違う4人の友情と愛情の物語。


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