「海原やすよ ともこ」は上方漫才の最高峰「上方漫才大賞」を2012年、2017年の2回も受賞しているしゃべくり漫才の本格派です(ちなみに松本人志氏は1989年の1回)。
女流漫才「海原お浜・小浜」の小浜師匠の孫で、その海原お浜・小浜の弟子が「海原千里 万里」。千里はのちの、あの上沼恵美子さんです。

上沼恵美子『時のしおり』株式会社テイチクエンタテインメント
今回審査員となったタイミング的には立川志らくさんの後釜ではありますが、むしろ2021年で勇退した上沼恵美子さんの後継と考える方が自然な位置でしょう(ちなみに海原ともこさん、屋号こそ海原ですが実は中田ボタン氏の弟子であり、厳密には海原一門ではありません)。
M-1審査員への打診は以前からあったようです。博多華丸・大吉の博多華丸氏やサンドウイッチマンの伊達みきお氏からも審査員になるよう強く勧められている様子がテレビでオンエアされる日もありました。しかし「自分たちのネタがやりにくくなるから審査員はやらない」と拒み続けていたのです。
上沼恵美子さん卒業後のM-1グランプリ2022で「いよいよ審査員を引き継ぐのでは?」と噂されていましたが、大会が開催された2022年12月18日(土)は、夫であるキーボーディストの前田耕陽さんもメンバーである男闘呼組の復活ライブが大阪城ホールであったことも影響したのか、結果、山田邦子さんが審査員に抜擢されました。
そして、長い年月をかけた番組側からの説得に折れたのか、遂(つい)に今回、満を持しての登板。大会19回の歴史のなかで初めて女性審査員が2名という体制になりました。
東の山田邦子、西の海原ともこ、女流の二大看板という構造ができあがったのです。皮肉にも、女性審査員の数は今年の「女芸人No.1決定戦 THE W」よりも多い結果になりました。