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「やる気はあるけど、仕事ができない人」の意外な原因。職場での適切な対応を専門医が解説

 職場で見かける、なぜか「仕事が空回りしてしまう」人たち。助言してもなかなかうまくいかない場合、ときには「やる気がないのでは?」と相手にネガティブな感情を抱いてしまうことも少なくありません。  しかし、実はその背景には「境界知能」の存在が隠れている可能性も。  シリーズ累計160万部超の大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』の著者であり、最新作『マンガでわかる! 境界知能の人が見ている世界』を発表した精神科医・宮口幸治先生に、職場にいるかもしれない境界知能の人々が見ている世界を解説してもらいました。

日本に約1700万人いる「境界知能」とは?

悩む男性

※写真はイメージです

 資料作成を頼んでもなかなか作ってくれない。電話対応がうまくできない。飲み会の幹事が苦手……。  職場で見かけることもある人たち。「なんでこんな簡単なことができないのか」と、もどかしさを感じることもありますが、本人たちは頑張っていても、実は「境界知能」が背景にある場合もあるのだとか。  そもそも境界知能(知的障害のグレーゾーン)とはどんなものなのでしょうか。  通常、IQの平均値は100で、平均値100 ± 15の「IQ85以上115未満」がいわゆる「健常者」とされ、IQ70未満の人が一般的には「知的障害」に該当します。  境界知能とは、まさにそのボーダーとなる「IQ70~85」に該当する人たちを意味し、人口の約14%存在すると言われています。人口比に例えるなら、約1700万人、すなわち、日本人の約7人に1人が境界知能に該当すると考えられます。

気づかれないからこそ、つらさがうまれる

 それだけ大人数いる一方で、精神科医の宮口先生は、「境界知能の人は、“普通”に見えるので、周りにいてもまず気づかれない」と語ります。この「気づかれない」という点が、彼らの生きにくさにつながってしまうのだとか。 「境界知能の人はそのしんどさに気づかれないがゆえに、小学校から社会人になるまで大変な思いを経験していることも多いのです。  一見普通に見えるのに、普通のことが苦手。そんな当事者の生きにくさが、職場等で不協和音を生んでいるケースもあります」
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優先順位が付けられるかどうかはある能力が関係する
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